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陸自東部方面隊実動訓練、災害時情報収集訓練を実施
ドローン・バイク団体との災害時連携要領を演練
陸上自衛隊東部方面隊は5月25日、5月21日から25日までの間実施した東部方面隊実動演習(FTX)内の訓練として災害時情報収集訓練を実施し、報道陣はじめ関係者等に訓練の様子を公開した。このFTXは、5月21日から24日までの間、統合幕僚監部が実施した「令和元年度自衛隊統合防災演習」(指揮所演習)に連接して実施する東部方面隊独自の訓練で、既報の通り、21日には海上自衛隊と連携しての海上機動演習を実施したところ。25日には災害時情報収集訓練のほか、医療搬送訓練も実施している。
東部方面隊が災害発生時の協力や平時の訓練、研究等の各種連携を行うために、今年2月から3月にかけて、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)、自律制御システム研究所(ACSL)、災害ボランティアバイクネットワーク関東(VBN)の3団体と協定を結び、情報収集の協力体制を構築してきたことは本紙でも報じてきた。今回の災害時情報収集訓練は3団体との初の実動訓練となる。
訓練に先立ち、これら協定の締結を進めてきた陸上自衛隊東部方面総監部情報部長の嶋本学1等陸佐は、「3団体との協定を結ぶきっかけとなったのが昨年の図上防災訓練だった」と前置きして、「首都直下地震発生を想定したが、道路の渋滞や寸断等で地上部隊の被災地への進出が遅れ、情報収集が遅れるといった苦い経験がある」として3団体と締結に至る経緯を語った。そして「昨日までの机上演習で、3団体から提供される被害情報は極めて有効であるのが図上では分かった」と述べ、今回の実動訓練を通じて、3団体との連携が深化するのを祈念するとした。
陸自と3団体の連携で、効果的な災害対処実施
ドローン・バイクを活用し「耳目」を増やす
※写真=JUIDAのドローン「ELIOS」による倒壊家屋内の探索の様子
※写真=3団体との災害時協定の締結を進めてきた陸上自衛隊東部方面総監部情報部長の嶋本学1等陸佐
※写真=ACSLの「PF1-SURVEY」による倒壊家屋の探索の様子。搭載する光学カメラや赤外線カメラにより人影の探索を実施した
※写真=オートバイにより被災地に前進してきたVBN会員。写真や映像を東方総監部に送る
※写真=ACSLのドローンによる情報により、倒壊家屋から被災者を救出する陸自偵察隊員。衛生部隊の支援を要請し、次の目標へ前進した
※写真=今回の訓練でACSLが使用したドローン「PF1-SURVEY」は30倍ズームの光学カメラと赤外線カメラ、スピーカーを搭載しており、自律飛行を行った
※写真=今回の訓練でJUIDAが使用したドローン
「Parrot Anafi」(手前赤いドローン)と「ELIOS」(奥のフレーム付きのドローン)