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737MAX、スタビライザートリム回復で潜在リスク
シミュレーター試験で発覚、運航再開は更なる茨道へ
米連邦航空局(FAA)は6月26日(現地時間)、MCAS問題で運航が停止されている737MAXについて、潜在的な新たなリスクを確認したことを明らかにした。ある関係者によると、「先週行われたボーイングでのシミュレーターテストにおいて、FAAのテストパイロットが一つの問題を確認した」とのこと。具体的には「問題は、要求されたスタビライザートリムの暴走から回復する手順を、迅速かつ容易に行うことに影響するもの」としており、「この問題はフライトコンピューターのデータ処理過程に由来するものであることが分かっている」ことを明かした。
MCAS問題でFAAは、ボーイングはもちろん、日本を含めた各国の航空当局と共に協議を進めるなど、いち早く737MAXの運航再開を目指してきている。FAAによれば、現在もボーイングが開発したMCASの修正ソフトウェアを評価しているほか、トレーニング要件についても開発を進めている。加えて独立したテクニカル・アドバイザリー・ボードを設置して、737MAXの運航再開に向けたFAAなどの作業を、第三者的な視点から評価しているという。
※写真=運航再開は間近と思われた737MAX。スタビライザートリムを復旧する際に迅速かつ容易に行うことに影響する潜在リスクが明らかに。運航再開にはまだ時間を要しそうだ