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2020.05.18

WING

IHI、100kW級パワーエレクトロニクス空冷実証に成功

航空機エンジン電動化向け高効率な空冷システム実現へ

 IHIは5月15日、航空機に搭載することが可能な100kW級高出力パワーエレクトロニクスの空冷実証に世界ではじめて成功し、実用化の目処がついたことを発表した。
 航空機に搭載するパワーエレクトロニクスは、高出力ながらも小型軽量化が進んだことで集約が進み、一箇所に発熱が集中する傾向がある。そのため効率に優れた排熱システムが求められるようになっている。そこでIHIは、パワーエレクトロニクスの高出力密度化に有用な高排熱密度・低損失な新構造ヒートシンクを開発したほか、ヒートシンクに大量の空気を送風するブロア用にオイルフリーかつセルフ空冷設計を適用した小型高速回転電動ブロアを開発。これらを組み合わせることによって、航空機に搭載可能な空冷ユニットを開発することに成功し、実証実験を実施していた。
 ちなみにIHIは今年2月、既報の通り技術開発本部(神奈川県横浜市)において250kW級のジェットエンジン後方のテールコーン内部に搭載可能なエンジン内蔵型電動機を開発することに成功。今回発表した100kW級高出力パワーエレクトロニクスの空冷実証に用いたシステムは、燃料システムおよび空調システムを考慮した効率に優れた排熱システムとなっており、電動機の出力を250kW以上にすることを可能にするためにも必要なものだった。
 なお、IHIは2030年代の実用化すると考えられている航空機の電動化に向けた研究開発を進めていくと共に、・・・・・。

 国プロで進む日本の航空機電動化研究開発
 15年度から23年度まで、8項目で研究開発
 IHI、次世代エンジン電動化研究開発を担当
 プロトタイプ製作・評価終え20年度は事後評価

※画像=パワーエレクトロニクス空冷技術のイメージ図(提供:IHI)