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ボーイング、アパッチ近代化改修で各国に情報提供の用意
諸外国でもEモデル化続々、米陸軍は2060年まで運用
ボーイングが開発した戦闘攻撃ヘリコプターAH-64アパッチ。米陸軍や諸外国の各軍と共に、数々の実戦をくぐり抜けてきた。同機を製造するボーイングでは、「世界中でアパッチの近代化改修プログラムが進行している」(ボーイング防衛宇宙・安全保障部門のテリー・ジャミソン氏)との認識を示し、日本を含めた諸外国に対して米陸軍と同じEモデルの導入・近代化改修について、「ボーイングは情報を求められれば、いつでも準備・対応する用意が整っている」ことを明らかにした。ちなみに「D」モデルから「E」モデルに近代化改修すれば、新たに「E」モデルを取得することに比べると、「35%安く調達することができる」という。
ボーイングは今年4月16日、累計500機目のEモデルを顧客に納入することに成したことを発表。そのAH-64の最大のオペレーターは、いわずもがな米陸軍だ。その米陸軍ではAH-64を2060年まで運用することを決定しており、実に791機をモデル「E」に近代化したかたちで運用することをコミットした、超長期の運用構想を有している。米陸軍が長期運用をコミットしたことを追い風として、諸外国でもAH-64Eへの近代化が続々と図られているほか、新規にAH-64Eを導入する国が増加傾向にある。
米陸軍における超長期の運用構想の大きな恩恵を受けることが期待できそうなのが、諸外国だ。ジャミソン氏は「米陸軍が大量に導入することで、Eモデルの取得費用を低減することが可能になり、その恩恵を諸外国も受けることができる」ことを強調。「米陸軍の多年度契約のタイミングで機体を調達すれば、製造の効率化が図られることになり、かつ米陸軍の近代化改修の恩恵を受けたかたちで、機体を取得することができる」とし、日本を含めた諸外国においてEモデルの調達コストを抑えることができるなど、様々なメリットがあると説明した。
「現在16カ国でアパッチが運用されているが・・・・・・・・・・・・・・・・。
最前線で優位性確保すべく進化続けたアパッチ
Eモデルで取り戻した機動性
Eモデルが有する4つの固有能力
陸・海・空の16キロ先の250目標を瞬時に識別
無人機とチーミング、味方機や司令部に映像伝送
リンク16や優れた各種センサーを搭載
■米陸軍FARAとの棲み分けは?
経年劣化したOH-58、一部でアパッチが代替も
※写真=ボーイングは陸自にAH-64Eガーディアンへの近代化を売り込み。米軍はEモデルを2060年までの超長期運用構想を有している(提供:ボーイング)