WING
新型コロナで航空機産業界再編が加速、中露の台頭も
エンブラエルをどこが射止めるかが大きな焦点に
ボーイング、エアバスという二大航空機メーカーが未曾有の経営危機に立たされているなか、ポスト・コロナ時代に航空機産業の業界地図は変化するのか---。本紙の取材に応じたデロイト トーマツグループの桐原祐一郎氏(パートナー)は、「少なからず業界再編は起きることになるだろう」と分析した。
これまで航空機産業は合併・再編を繰り返しつつも成長を遂げてきた。そうしたなか最近ではボンバルディアがCシリーズの「失敗」によって旅客機事業から脱落。エアバスにCシリーズを売り渡し、さらにCRJ事業は三菱重工へ、ターボプロップのQ400はデ・ハビランド・エアクラフト(旧ロングビュー・アビエーション)に身売りした。
また、エンブラエルはボーイングと急接近してジョイント・ベンチャーの設立を試みたが、結果としてこれは破談に終わった。
桐原氏が注目するのは、「OEMでいえば、A・B・CのC・つまりCOMACだ。7中国がコロナ危機を逸早く脱し、経済的にも早く回復しつつあることに加え、COMACは中国内を含めてある程度完結することができるという強みを持つ。中国・ロシアが連携して、COMACの存在感が増していくことだろう」との見通しを示した。
「時間はかかるかもしれないが、・・・
日本の航空機・防衛産業にも変化の波到来か
国内民間機事業は海外企業含め再編も
※写真=新型コロナで窮地に陥ったボーイングとエアバス。桐原氏は業界再編が加速すると予想する。とくにボーイングと破断したエンブラエルをどこが射止めるかということが大きな注目材料の一つかもしれない
※写真=デロイト トーマツグループの桐原祐一郎パートナー(提供:デロイト トーマツグループ)