ウイングトラベル
フィリピン観光大臣、環境保全の観光振興推進
排水問題で閉鎖のボラカイ島、10月末に再開
フィリピン政府観光省のベルナット・ファティマ・ロムロ・プヤット大臣がこのほど来日し、メディア向けイベントを開催した。イベントでプヤット大臣は環境への配慮を柱にサスティナブルツーリズムへの取り組みを強化していくとともに、環境汚染問題で閉鎖していたリゾート地のボラカイ島について10月26日から観光客の受け入れを再開することを明らかにした。
また、日本市場からの訪問客拡大に向けて、女性客の誘致を促進する取り組みを強化。美容や食関連の観光資源を積極的にPRするとともに、芸能人を使ったプロモーションを展開。これにより、さらなる観光客数の上積みにつなげていく考えだ。
フィリピンは、セブ島などのリゾート地を中心に観光客が増加傾向となっている。その一方で、観光客集中によるいわゆる「観光公害」も問題視されてきた。
そうした中で年間200万人が訪問するリゾート地であるボラカイ島については、ホテルからの排水が環境を汚染しているとして、今年4月末に閉鎖し、違法建築物の撤去や排水処理施設の整備を進めている。これらの環境保全対策が順調に進んでいることから、ボラカイ島の閉鎖を10月26日で解除することを決めた。
日本人旅行者拡大へ女子旅の誘致促進
観光大使にモデル起用「きれいになれるフィリピン」PR
日本マーケットについては2017年の訪問客数は前年比9%増の約58万3000人となった。今年も1〜4月時点で前年と同水準の9%程度の伸びを示している状況で、引き続き堅調に推移しているという。プヤット大臣は「フィリピンは日本人にとって親しみやすい観光資源が豊富にある。そうした部分が観光客の増加につながっている」と評価した。
その一方で「日本訪問客の内容を見ると、圧倒的に男性客が多い。さらに訪問客の誘致促進を図る上で女性に着目したプロモーションを行うことにした」と述べ、女子旅の誘致促進に取り組む方針を示した。
女性客誘致促進に向けて観光省では、モデルのラブリさんとモデル・女優の西内ひろさんの2人を観光大使として任命。新たなプロモーション動画の制作を行うとともに、SNSを活用した情報発信を行っていく。このほか「きれいになれるフィリピン」というキャッチコピーを用いて、美容や食など女性客にまっちした観光素材を積極的にアピールしていき、女性客の誘致促進を図る。
※写真=フィリピンのベルナット・ファティマ・ロムロ・プヤット観光大臣(中央)と観光大使に任命されたラブリさん(左)と西内ひろさん