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2020.09.18

WING

岸新防衛大臣、防衛体制強化や日米同盟強化等掲げる

「ミサイル防衛のあるべき方策は年末までに示す」

 防衛省では9月17日、菅義偉内閣の成立に伴い防衛大臣に就任することとなった岸信夫新防衛大臣の着任式を執り行った。なお、新旧両大臣による事務引継式は、前防衛大臣である河野太郎行政改革担当大臣と日程の都合が合わなかったためか、行わなかった。
 岸新大臣は着任の訓示で、「25万人の防衛省・自衛隊の諸君とともに、日本の防衛力という崇高な任務を担うこととなり、大変光栄に感じるとともに、改めてその責任に引き締まる思い」と挨拶し、菅総理から頂いた指示を踏まえてこれから防衛省・自衛隊の隊員諸官と共に取り組むべき課題について、課題を3つ掲げて所見を述べるとともに、「私は国民の生命と平和な暮らしを守るため、常に全隊員の先頭に立ち、全身全霊で困難に立ち向かう所存だ」と語り、隊員が高い意識をもって研鑽を重ね任務に精励することを要望した。
 岸防衛大臣が訓示の中で提示した課題の1つ目は、日本自身の防衛体制強化で、「これまでに直面したことの無い安全保障環境の現実のもとで国家として存立を全うするため、防衛力の質・量を強化して行かなければならない」とし、「従来の陸海空という区分けや既存の予算や人員を前提とする発想からは脱却した真に実効的な防衛力構築に全力で取り組んでいく」と述べた。なお、菅総理から指示があった「イージス・アショア」の代替や抑止力強化のためのミサイル阻止に関する安全保障政策の新たな方針については、「本年末までにあるべき方策を示し、速やかに実行に移す様にしっかりと取り組んでいく」と語った。
 2つ目の課題には日米同盟の強化を挙げ、「日米同盟は日本の安全保障の基軸であると同時に、インド太平洋地域、更には国際社会の平和と安定および繁栄に大きな役割を果たしている」とし、「今後とも日米ガイドラインに基づき、宇宙・サイバー・電磁波領域など様々な分野で両国の協力を進展させ、日米同盟の抑止力と対処能力を一層強化させていく」と語った。また、米軍基地の地元負担については、「地元の基地負担を軽減していくための努力も重要であり、特に現在も多くの米軍施設・区域が集中している沖縄の負担軽減のため、全力で取り組んでいく」と述べている。
 3つ目は各国との安全保障協力の強化とし、「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンを踏まえた上で、「安全保障協力の推進に当たっては日米同盟を基軸とし、普遍的価値に基づく安全保障上の利益を共有する国々との緊密な連携を図っていく所存だ」と述べている。

 

※写真=菅義偉内閣の成立に伴い防衛大臣に就任することとなった岸信夫新防衛大臣

※写真=岸防衛大臣は、防衛体制強化や日米同盟強化などを課題として掲げ、全隊員の先頭に立ち、全身全霊で困難に立ち向かうと訓示した

 

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