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2020.10.12

WING

飛行艇ドローン開発、来年には製品版リリース

水中センシングなど多様な利用、諸外国から引き合い

 スペースエンターテイメントラボラトリーの金田政太最高経営責任者(CEO)が本紙の取材に応じて、同社が開発中の飛行艇ドローンについて、「来年には製品版をリリースする予定」にあることを明かし、現在、製品版リリースに向けた開発作業を急いでいるとした。
 金田CEOによると、「試験機は迅速かつ安価に製作したタイプのもので、色々な形状および性能を検証するための機体」とし、「製品版はユーザーフレンドリーな機体とすることと共に、デザイン性にも着目している」と話した。
 同社としては、この飛行艇ドローンについて、「沖合に出て水中センシングをする。水自体のデータを取得することができると考えている」としており、従来のマルチコプタータイプでは運用することが難しかった領域における無人機活用を想定する。
 さらに、「この飛行艇ドローンを用いれば、かなり広範囲をセンシングすることができる」としているほか、「飛行艇型のメリットの一つとして、船から降ろして回収して使うことができる。必ずしも陸から運用するのではなく、船があれば、フライト用の甲板などがなくても、そこから機体を降ろして離着水することができる。船で運んでそこから数十km運用することができるレンジとなる」とした。「船からマルチコプターやVTOL機など、ある程度大型の機体を飛ばすとなれば、船自体が動くこと、波で揺れるなど、船にドローンが衝突するリスクがある。一方で飛行艇ドローンならば、少し船から距離をとって水面から離水することができるということは、大きな魅力になっている」との認識を示した。
 そうしたなかNTTドコモが米国グアム島に設置した5G技術検証環境「ドコモ5Gオープンラボ」において、昨年12月に日鉄ソリューションズが同社の飛行艇ドローンを用いた通信エリア品質調査ソリューションの実証実験を実施するなど、成果を挙げている。
 ちなみに海外展開については、今年2月に開催されたシンガポールエアショーに飛行艇ドローンを出展。「東南アジアの島国など、日本と同じような地理環境や海岸線が多い国の人々から強い関心を寄せて頂いた」とのことで、諸外国から多数の引き合いがあるなど、日本国内に留まらず、海外からも注目されている様相だ。・・・

 

飛行艇好き高じて飛行艇ドローン開発
海や川、国内に豊富な水域に商機も

 

波高2~3メートルでも運用可能に
推重比1以上、始動から2秒で離水

 

夢は飛行艇ドローンの太平洋横断
大西洋横断のカーチスNC4飛行艇を追う

 

※写真=スペースエンターテイメントラボラトリーの金田政太CEO。国内外の飛行艇ドローン市場に自信

※写真=来年には製品版をリリースすると共に、大型化することを目指す。夢は飛行艇ドローンで太平洋を横断することだ