記事検索はこちらで→
2021.02.09

WING

世界の航空座席供給量削減に歯止めかからず

6月末水準に逆戻り、中国国内線市場で急減

 フライトデータサービスを提供するOAGのジョン・グラント氏は、今週一週間に世界各地の定期便で計画されている航空座席供給量について、「4810万席まで落ち込む見通しにある」ことを明らかにした。「定期航空で提供される航空座席数は5000万席の大台を割り込み、昨年6月末の座席供給量の水準にまで逆戻りする見通しだ」として、昨今の新型コロナウイルス感染の拡がりや変異株の出現などによって、世界各地で提供される座席供給量は減少傾向にあることに言及した。
 供給減の流れに拍車をかけているのが中国市場の動向だ。今年の中国の春節(旧正月)は2月12日。その前後で大型連休となることから、平時であれば中国はまさに”民族大移動”の真っ盛りのはず。一年で最も人の往来が活発化する時期だ。
 ところが今年も昨年に続き、航空会社にとってどうやら春節の恩恵は期待薄なものに留まることになりそうだ。
 新型コロナウイルスの感染が中国でも再び拡がりはじめ、中国当局も警戒感を露わにしている。中国国内線市場は一時、概ね新型コロナ禍前の水準にまで需要が回復したものの、昨今の感染状況に対応する形で需要の回復にブレーキがかかり、中国系航空会社としても需給調整を図らなければならない事態となってきている。
 グラント氏は「ここ数週間に亘って中国市場では定期的に座席供給量を削減してきた」と振り返りつつ、「とくに今週は中国市場で削減された座席数は驚くべきレベルだ。週あたりの座席供給量は前の週と比較して約320万席以上の座席供給量が削減された」とし、中国国内線市場で大規模な座席削減が行われていることを明かした。
 ちなみに大規模な座席供給量削減が中国市場で行われた結果・・・・・・・・・・・・・・・。

※写真=春節時期の中国市場で急速に航空座席供給量が削減。その結果、米国が再び座席供給量で世界トップに返り咲いた。世界の週あたりの座席供給量は5000万台割れと昨年6月水準に逆戻りした(提供:OAG)