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防衛省、宇宙設置望遠鏡の調査着手へ
衛星衝突防止のデブリ監視強化の一環
防衛省は2019年度概算要求に、新たに「宇宙設置型の光学望遠鏡を含むSSAシステムの能力向上に関する調査研究」として3300万円を盛り込んだ。これは日本の衛星等の宇宙システムがスペース・デブリと衝突するのを回避するため、現有の地上光学望遠鏡(JAXAが運用)、地上レーダー(JAXAに加え防衛省も建設に着手)に加えて、衛星に搭載した光学望遠鏡によりSSA(宇宙状況監視)システムの監視能力を強化することを目指しての第一歩と言える。
具体的には民間企業に委託しての動向調査の段階となるが、静止軌道上のXバンド防衛通信衛星などの日本の宇宙アセット防護に向けて、飛翔するデブリや不明物体の特性を把握するため、宇宙設置の光学望遠鏡により、地上設置望遠鏡より鮮明な画像を取得することを目指すものと言える。SSAの強化は米国からも要請があり、日本政府全体として取り組んでいる。光学望遠鏡を搭載する衛星については、調査の中で諸外国の事例等が明らかにされようが、まだ決まっていない模様。
※画像=宇宙設置光学望遠鏡の運用構想図(提供:防衛省)