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防衛省、滑空弾研究ブロック化、25年に早期装備型
早期の島しょ防衛力強化へ、性能向上型は28年に
防衛省は、今年度から開始した島しょ防衛用高速滑空弾の要素技術研究について、成果の早期実用化を目指す。研究開発のスケジュールをブロック化して、早期装備型をブロック1とし、性能向上型をブロック2として、順次装備化を実施する構えだ。早期装備型のブロック1は、2025年度を目途に実用化し、性能向上型のブロック2は2028年度までに実用化を目指すとしている。
高速滑空弾は、敵機動部隊によって領土内の島しょ部へ上陸された際の使用を想定したもの。遠距離から打ち出し、敵地対空ミサイル(SAM)などで迎撃が難しい高高度まで飛翔した後、超音速で滑空して、GPS、慣性航法システム(INS)などによって目標へ正確に到達する。そして、搭載した弾頭機能で敵を攻撃し、早急に無力化する。プラットフォーム自体は今のところ決まっていないが、今年度には研究費として、46億円を計上して研究がスタートした。
こうした研究開発を行う背景は、もちろん近年特に安全保障環境の厳しさが増した南西地域の防衛を想定したためだ。中国の船舶・航空機は、尖閣諸島周辺をはじめ、日本領海・領空付近へ頻繁に現れる。過去には、昨年5月のドローンによる領空侵犯や、今年1月には潜没潜水艦およびフリゲート艦による日本の接続水域への入域事案も発生した。こうした非常に厳しい環境の中、早急に脅威圏外からの対応力強化が必要となっていた。
遠距離かつ高高度を高速で滑空して目標まで到達する技術は、以前から世界的に提唱されていた。米国や中国では、同じような研究が行われていることが知られているものの、今のところ各国で装備化の事例は見られていない。そこで日本では、同技術をどこよりも早く確立化して優位性を確保したい考えだ。
※図1=ブロック化のイメージ(提供:防衛省)
※図2=高速滑空弾の使用イメージ(提供:防衛省)