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2018.12.10

WING

ボーイング、日本の将来戦闘機に協力用意

F-15近代化提案、KC-46Aの製造も進捗

 ボーイング社防衛・宇宙・セキュリティ部門海外営業バイスプレジデントのトミー・ダナヒュー氏がこのほど、航空新聞社などのインタビューに応じて、日本向けの活動現況を述べた。このなかで、日本の航空工業界とは60年以上の協力関係を持っており、日本の新戦闘機については、「具体的に言えないが、保有する新設計・技術能力を提供したいと考えている」と述べた。また、次期中期防衛力整備計画に向けて提案中の航空自衛隊F-15戦闘機近代化については三菱重工、日米両政府と協力して新技術を採り入れた約100機分の能力向上に向けて対応していく考えを示した。
 ダナヒュー氏は「F-15はF-35Aと相互補完関係にあり、航続距離、ペイロード、速度ではF-35Aに勝っている」と指摘し、米空軍も航空自衛隊も複数戦闘機が補完し合う形を続けて行くことが効率的だとの見方を示した。
 ボーイングの防衛航空機部門は最近、MQ-25無人艦載給油機、MH-139多用途ヘリコプター、T-X次期練習機を受注し、それらの開発に取り組んでいる。また、無人プラットフォームの開発も重視しており、スキャンイーグル無人偵察機、ウェーブライダー滑水偵察機、エコボイジャー無人潜水艦など様々なプラットフォームに取り組んでいると紹介した。
 さらに全社的な運用支援部門を統合したグローバル・サービス部門が発足し、多様な地域で様々なパートナーとともにPBL(包括維持整備契約)に取り組み、部隊の可動率を20~25%向上することを目指していることも明かした。
 ライフサイクルコストの観点では、ヘリコプターなどは取得コスト30%に対して維持コストが70%とも言われる。ボーイングでは、こうしたライフサイクルコストについて、如何に最適化することができるのか、取り組んでいるという。
 その具体例ではCH-47ライフサイクルで、30年間に約20%のコスト低減、30%の可動率向上を目標に、データ収集解析し、適格に計画に反映させつつあると語った。
 またF-15の近代化ではAIM-120空対空ミサイルを18発搭載するなどアップグレードを図っており、米空軍のF-15Cではミッション・コンピュータも強力なコンピュータへと換装したとしている。
 「日本の航空機メーカーとは3社それぞれ、現在から近い将来の協力プログラムが進行しており、さらに新しく導入される機種でも協力が拡大することを期待している」とダナヒュー氏は話した。

 

※写真=ボーイングのトミー・ダナヒューバイスプレジデント

※写真=JA2018に出展されたF-15の改修案の模型。AIM-120ミサイルを18発搭載している

※写真=米空軍次期練習機に決まったT-Xの模型