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世界航空貨物市場11月、前年比ゼロ成長
プラス成長は31ヵ月でストップ
世界の航空貨物市場の成長鈍化が一層鮮明になってきた。国際航空運送協会(IATA)が1月8日(ジュネーブ現地時間)に発表した昨年11月の航空貨物市場動向によれば、対前年比ベースで0%成長となった。過去31ヵ月連続でプラス成長を続けてきたものの、2016年3月以降で最も低い成長率となったという。ちなみにキャパシティを表すAFTKは4.3%増加しており、キャパシティの増加が需要を上回ったのは、9ヵ月連続となった。
世界のeコマースは引き続き成長している一方で、航空貨物需要は世界経済活動に弱含みの兆候がみられることのほか、米国を除くすべての主要輸出国における輸出注文帳簿の縮小、さらには2018年初頭の非常に高い水準と比較して消費者信頼感が低下しているなど、様々な向かい風に晒されていることが成長停滞の背景にある。
IATAのアレクサンドル・ドゥ・ジュニアックCEOは「通常、第4四半期は航空貨物市場はピークを迎える。11月の実質的な横ばいの成長は残念だ」と、11月にみられた市場停滞に言及。「2019年には3.7%の需要拡大を見込んでいるが、下振れリスクが高まっている。貿易の緊張が大きな懸念材料だ」と、米中貿易戦争などの影響によって、当初予測よりも需要が低迷する恐れがあることに触れた。