記事検索はこちらで→
2024.06.03

西オーストラリアが今選ばれている理由【西オーストラリア州 ②】

カーティン大学でのSTEM教育

 

  例えば工科系屈指の大学であるカーティン大学では、海面上昇によって水上生活を強いられる可能性という課題に対し一定の予算内で浮き橋を作り耐久性を競う、あるいは食料の安定的確保を課題としてプログラミングの技術を用い雑草を探索するロボットを操作するなど、環境学習を中心としたSTEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)教育のアクティビティを多数用意。

 また、カーティン大学が米航空宇宙局(NASA)と共同で宇宙研究を実施していることから、その研究内容を反映して身近な材料でウォーターロケットを設計・制作して飛行実験を行うプログラムも。
 各プログラムは最大30名程度を上限にグループに分かれて実施し、所要時間は約2時間。指導は大学スタッフや大学院生などが担当する。

ゴールド社が提携する大学・高校の数は合計で60超。
学校数自体の増加を背景にさらなる拡充にも意欲的だ

 

ユースリーダーが成長をサポート

 

 また、同社の強みの一つが現地の意欲ある学生を採用・教育している「ユースリーダー」とのアクティブラーニング。
 大学のキャンパスや街なかで、ユースリーダーとともに与えられたミッションをクリアしながらゴールを目指すもので、生徒たちはリーダーや道行く人々に質問したり意見を交わしたりすることが求められるため、自然と積極的にプログラムに参加することになる仕組み。リーダーは生徒5~7人程度に1人の割合で配置する。
 リーダーたちは日本の学生の特徴や文化的背景について研修で学んでおり、自らの経験やスキルアップの機会として意欲を持ち、担当する生徒が限られた英語力しかなくても楽しく活動できるような雰囲気づくりやコミュニケーションについてもトレーニングを実施。

 アクティブラーニングのプログラムは、数時間のものから数日間の本格的なグループワークセッション、野外キャンプ体験などその幅の広さも魅力。
 また、グループサイズに応じてカーティン大学のSTEMプログラムとアクティブラーニングをローテーションで実施するなど効率的な展開が可能なことも強みと言える。

ユースリーダーは現地の大学生以上の生徒を中心に採用。
同世代の若者によるサポートを通してプログラムの効果を最大化する

 

ロットネスト島でも「探究」可

 

 こうしたプログラムは、「世界一幸せな動物」として人気抜群のクオッカが暮らすロットネスト島でも可能。島の流刑地としての過去や戦時下の歴史を元にしたフィールドワークで平和について考えたり、島の資源や海洋環境についての学びからオーストラリアの水事情や再生可能エネルギーの活用状況を学んだり。また、パースを象徴するキングスパークや、約200種類の動物を飼育するカバシャムワイルドライフパークでの研修プログラムも用意されている。
 このように、西オーストラリア州では学生にとって一生に一度の研修旅行を最大限楽しみつつ着実に成長できる万全の環境とプログラムが整っているのだ。

ロットネスト島では再生可能エネルギーによる海水の
淡水化やゴミ削減、リサイクルなどでも
先進的な取り組みを進め国内でも高く評価されている

 

観光人材育成の新プログラムも

 

 21世紀における日本の政策の柱と位置付けられた観光。教育の世界でも2022年度に高等学校商業科で「観光ビジネス」の科目が導入されるなど注目が高まっている。
 そうした中でGOLD社では、次世代の観光産業を担う若者に向けた新プログラムを準備中。観光関連の課題を抱える地域の学生や、将来観光関連ビジネスの起業を志す学生などをターゲットとし、西オーストラリア州での取組事例を学びながら日本での課題解決について考える内容とする。
 例えば観光先進国オーストラリアでの課題や今後の可能性、マーケティング事例などについて関係者からのヒアリングや視察を実施。また訪日旅行についての調査や消費者へのプレゼンテーションも予定する。
 自ら課題を見い出し工夫を凝らして解決を目指すのは探究学習そのもの。観光人材の育成だけでなく、社会や産業を知るキャリア教育の一環として幅広い学生にも適したプログラムとする計画で、2024年秋頃の開始を予定している。

観光は地域活性化の柱であり、その観光を牽引できる
人材の価値は今後ますます高まっていく。
GOLD社は先手を打って対応を進めていく考えだ

 

サウスウエスト&スポーツ研修で新たな需要獲得へ

 

 ゴールド社が現在特に力を入れているのが、州南西部「サウスウェスト」地区における受入体制の強化。都会的なパースに加えて地方ならではの体験を取り揃えるこで、より幅広い教育旅行を提供できるようにする。
 同地区の中心はバッセルトンやバンバリー。バッセルトンはパースから車で約2.5時間、ジブリの「千と千尋の神隠し」でモデルになったとも言われる桟橋が有名だ。
 最大の魅力は住民たちの暖かい気質で、心からのおもてなしが待つ。すでに規模の大きなグループの受け入れも実現しており、2024年1月には早稲田渋谷シンガポール校から100名強が現地を訪れ、バッセルトンでホームステイも実施した。
 また、研修テーマの拡充にも意欲的で、最新の例ではスポーツをテーマとした研修の提案も開始。ラグビーやサッカー、バスケットボール、テニスなど日本での競技人口が多くオーストラリアが一定以上の強豪国として認知されているスポーツについて、日本から学生団体を受け入れ、合宿や親善試合、現地で活躍するプロチーム関係者からのトレーニングなどを組み合わせて提供していきたい考え。
 さらにSTEMに教養・芸術(liberal Arts)を加えた「STEAM教育」への対応も進めている。

紺碧のインド洋に張り出すバッセルトンジェッティ。南半球で最も長い桟橋として知られる

 

各種資料&お問い合わせ先

西オーストラリア州政府観光局(TWA)とゴールド社では、教育旅行に役立つ各種情報をオンラインで発信中。お問い合わせはGOLD社公式サイトへ。

TWA公式サイト
GOLD社公式サイト
GOLD社Instagram

 

←前のページ「西オーストラリア州 ①」

 

次のページ「ビクトリア州 ①」→