ウイングトラベル
観光庁、DMOの上級認定基準策定を検討
田村長官「20年に世界水準DMO100法人体制実現」
観光庁の田村明比古長官は4月18日に開催した業界紙向け会見で、DMOの機能強化を図るため、よりハイレベルな認定基準を採用し、上級の認定DMOの選定を進めていく方針を明らかにした。現在の日本版DMOの認定基準としている5つの条件を軸として、より訪日インバウンドの誘客増加に直結した取り組みに関する内容を追加するとともに、この要件をクリアするための支援体制を強化していく。政府の「明日の日本を支える観光ビジョン」では2020年までに全国で100法人の世界水準DMOを構築していく方針を示している。田村長官は「より高い水準の評価をしていく枠組みを作り、ハイレベルなDMOの内容を目に見えて知ってもらうことで、日本版DMOの底上げにつなげていきたい」考えを示した。
観光庁は今年3月末までに日本版DMOとして70法人、日本版DMO候補法人として128法人をそれぞれ認定している。ここまでの動きについて田村長官は「いくつかレベルの高い活動を行っている組織が出てきている一方で、交付金目当てだけで設立された組織も少なくない」と指摘した。
そうした中で、観光ビジョンで目指している2020年の世界水準のDMO100法人の実現に向けては「けっこう大変なのではないかと思っており、DMOのレベルアップに向けた取り組みをさらに強化していく必要がある」と述べた。そのためにこれまでの日本版DMO法人の認定に加えて「真の世界水準DMOを実現してくためには、より高い評価をしていくのが重要ではないか」と強調した。
現在日本版DMOの認定にあたっては、1多様な関係者の合意形成。2、継続的なデータ収集に基づく戦略策定。3、戦略と地域関係者との取り組みの整合性。4、責任者の明確化とデータ分析の専門人材の確保、5、安定した運営資金の確保ーが要件となる。これらについて「外国人旅行者の誘客拡大という観点で高い水準で満たしたDMOを世界水準DMOとして認定していきたい」と田村長官は述べた上で「100法人という数にとらわれず、質の高いDMOの構築を目指していきたい」と強調した。