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日米防衛相会談、短中距離ミサイル含む廃棄へ一致
日米連携で圧力・制裁維持、拉致問題も重要課題に
小野寺五典防衛大臣は米国時間の4月20日、ワシントンDCでジェームズ・マティス国防長官と日米防衛相会談を行い、北朝鮮問題への対応について「すべての大量破壊兵器およびあらゆる弾道ミサイルの計画の放棄に向けて、圧力・制裁を維持していくことを確認した」と述べ、日米間の今後の対応に関する方針、連携が一致していることを強調した。
小野寺大臣は会談後の会見で、米朝首脳会談の前に、日米首脳会談に続いて「日米で対応方針が一致していることを確認できたことは大きな意義がある」として、引き続きマティス長官との信頼関係を深めつつ、課題解決に取組む考えを説明した。5月に行われる予定の米朝首脳会談では、米国まで届くICBM級の長距離弾道ミサイルの開発中止に焦点が当てられ、日本まで届く短・中距離弾道ミサイルには言及されないまま、米朝合意が成されることが懸念されている。このたび行われた首脳会談および防衛相会談では、日本側から短・中距離弾道ミサイルも含めた開発中止に米朝会談で言及するよう、米側へ求めたかたちだ。
小野寺大臣は、日米防衛相会談を通じ、中距離・短距離弾道ミサイルについて「当然、今回の米朝首脳会談の中で、その廃棄に向けてしっかり求めていくということは確認した」との考えを示した。あくまで日米が求めている目標は、核・ミサイルの廃棄であり、そのミサイルには当然、日本の脅威にもなる中距離・短距離が含まれるため、それらを無くしていくことに変わりはないと説明した。さらに、拉致問題についても解決するべき重要な課題だとして、米側も特に重視していることを確認。米朝の会談の中で取り上げられる課題だという。
小野寺大臣は会談の中で、マティス長官からは、海上自衛隊による「瀬取り」への取組みが評価されたことを説明したほか、日米協力が進捗していることを確認。日米防衛協力を一層推進していくことを再確認した。また、日本側から防衛大綱の検討を進めていることを説明したとして「FMSの諸課題の改善も含め、日本の防衛力整備に向けた協力を確認したとのこと。そのほか、横田飛行場に配備されるCV-22や、沖縄の米軍機を含め、米軍の安全な運用の確保を要請し、マティス長官から、地元の理解を得る取組みについて、協力していくことで一致したと説明した。
特に防衛装備品の調達については、米国の最新鋭装備がFMS調達中心になり「そのFMS調達の透明性、あるいは安定した取組みなどについて、米側が努力をすることは確認できた」と述べ、調達額の低減に含みを持たせた。
※写真=日米防衛相会談に臨む小野寺大臣と、マティス長官(提供:防衛省)