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JAXA、超高速インターネット衛星の運用終了
世界初の超高速通信など数々の偉業達成
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月1日、超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の運用を終了することを決めた。JAXAは「きずな」の通信異常発生後、約2週間に亘って地上局から通信を試みてきたが、通信が復旧しないことから、地上からの運用不可能と判断。「きずな」搭載の送信機とバッテリーを停止するコマンドの送信を、去る2月27日15時54分(日本標準時)に地上から実施し、同衛星の運用を終了した。
JAXAによれば、「きずな」は最大3.2Gbpsという、当時としては世界初の超高速通信を実証することに成功したほか、海中ハイビジョン映像を洋上船舶から地上局への伝送にも成功していた。さらに、アジア・太平洋地域における情報格差の解消に向けた超高速衛星通信利用モデルの実証で、海外に設置した複数拠点に対する同時配信を実施したほか、遠隔教育実験や遠隔医療実証実験を実施にも成功。従来1週間以上を要した国立天文台VERA観測データの、準リアルタイム処理にも成功した。
※画像=超高速インターネット衛星の運用を終了(提供:JAXA)