ウイングトラベル
世界初の“観光型MaaS”で観光地の課題解決へ
JR東日本企画の高橋常務、周遊型観光を後押し
ジェイアール東日本企画の高橋敦司常務取締役営業本部長は、本紙インタビューに対し、4月から伊豆エリアで開始する観光型MaaS(Mobility as a Service)の実証実験について、「観光地の課題を解決するためにMaaSをやろうとしたのは日本初、世界でも初めてと思われる」とした上で、「将来これがモデルになり、新たな人流の創出や、観光地の二次交通や人手不足などの課題を解決するソリューションにつながれば」との展望を示した。とくに、二次交通の課題を解決すれば、「周遊型観光を意図してくるインバウンド客の拡大も見込める」として、観光地に新たな価値を創造できると期待感を示した。
観光型MaaSの実証実験は、東京急行電鉄、東日本旅客鉄道、JR東日本企画の3社共同で実施する。実施に当たっては、地元団体らも参画する実行委員会が中心となり、補助金や協賛金等を得てフェーズ1(4〜6月)、フェーズ2(9〜11月)の6ヶ月間にわたり実証実験を実施し、将来の実装化をめざす方針だ。
MaaSとは、あらゆる交通手段を一つのサービスと捉えてシームレスにつなぐことで、マイカーと同等かそれ以上に快適なサービスを提供する新たな移動の概念。鉄道、バス、タクシー、ライドシェア、レンタサイクルなどを専用アプリで検索、予約、決済できるサービスなどが提供されている。この概念はヨーロッパ発祥で、日本でもMaaSアプリの開発や、自動車メーカーらによるMaaSへの参入表明などが話題となっている。
高橋常務は、「ヨーロッパ型MaaSはフィンランドのヘルシンキで始まり、英国のバーミンガム、ドイツのドュッセルドルフなどに広がっているが、それらはいずれも都市交通の課題解決型。日本でも都市型MaaSをやろうという人は一杯いるが、観光地の課題解決のために観光型MaaSに取り組むのは、今回がおそらく世界で初めて」だとして、MaaSで観光地の課題解決に取り組む点が最大のポイントとした。
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※写真=ジェイアール東日本企画の高橋敦司常務取締役営業本部長