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防衛装備庁のステルス化研究、戦闘機技術に期待
プラズマアンテナ、アクティブ反射制御を発表
防衛装備庁はこのほど、報道向けに電子装備研究所の研究および施設の一部を公開した。特に航空機分野の重要な技術とされるステルス化技術については、現在基礎研究を行っている「プラズマステルスアンテナ技術」および「アクティブ反射制御」を発表。プラズマやメタマテリアルを利用した技術となる。
今回ステルス化研究を発表したのは、防衛装備庁の電子装備研究所。そこでは、サイバー領域を含む情報・通信、レーダー、光波など、防衛エレクトロニクス部門として要素技術研究やシステム化技術研究などを行っている。電子装備研究所によれば、ステルス化技術は大きく2つの技術に分けられ、1つは形状ステルスで、もう1つは材料ステルスとなる。ステルス化技術で最も重要な部分は形状で、到来する相手側の電波を機体へ当てない、あるいは当たっても相手側へ返さないように、物理的面積や指向性をコントロールする。
材料ステルスについては現在、形状ステルスを補うかたちの技術となっている。これは、電波の反射量をコントロールする。反射量を減らす材料としては、一般的には電波吸収体などで、レーダー波を反射させない素材を用いる技術となっている。
プラズマアンテナ、プラズマ発生時通信可能
原理は蛍光灯と同じ、オフ時はただのガラス管
反射したレーダー波に誤った情報を付与
アクティブ反射制御、周波数を意図的に変化
※写真=F-35などのステルス機のアンテナは、機体内部に格納。プラズマアンテナは、実用化すれば従来の形状でステルス化を図れる