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2019.03.13

WING

羽田国内線スロット巡り航空各社がヒアリング

観光立国・地域活性化への貢献をアピール

 国土交通省は3月12日、第2回目となる「羽田発着枠配分基準検討小委員会」を開いて、羽田国内線へ就航する航空6社からヒアリングを行った。この会合では、2020年1月に使用期限を迎える航空各社の羽田国内線発着枠について、回収・再配分の考え方やルールを検討する。そこで航空各社が主張したのは“いかに国益へ貢献するのか”。現在政府が推進する観光立国や地方創生のため、増大するインバウンドの地方誘客や、地域の活性化施策など、各社発着枠の獲得に向けて、これまでの成果を含めてアピールした。
 羽田国内線発着枠は今回、増加せずに回収・再配分を検討する。前回は、羽田の機能強化によって各社が増枠分の獲得を競ったが、前回と同様に競争促進を主軸とした回収・再配分が行われることになれば、大手にとっては減便せざるを得ない厳しい状況も考えられる。そのため、発着枠回収に対する大手航空会社の意見は「極めて抑制的」であるべきとの意見だ。一度発着枠が回収されることによって、現行の地方や離島などのネットワークが毀損してしまう懸念があるという。また、かつて新規と呼ばれた特定既存航空会社へ優先して配分したこれまでの経緯を踏まえれば、今や回収・再配分の目的は一定程度達成されたとして、回収を行う再定義化を求めた。
 一方で特定既存航空会社は、各社の事情により発着枠の回収に対する考え方は異なるものの、おおむね回収対象から新規優先枠を除くよう求めることで一致した。その理由は、経営基盤の維持だ。各社とも前回の配分時点よりも保有機数、便数ともに拡大していて、航空会社間の競争を活発化してきた。とはいえ、やはり大手に対して足元の基盤は脆弱だという。また地方路線の赤字を新規優先枠で得た羽田路線の黒字で補填しているというケースも示して、依然として新規優先枠の役目は終わっていないことを強調して、存続を求めた。

 

各社得意分野を考慮した評価見直しを提案
スロットオークションは満場一致で「ノー」

 

スターフライヤー、各社5%比率での枠回収提案
地方国際線、定時出発、顧客満足度を新評価に

 

AIRDO、地方・新規優先など除く定率回収
地方路線の複数機種運航で評価、路線維持に必要

 

日本航空、観光立国・地方創生施策の重視
回収は最小限の7~25枠、地域との協力強調

 

全日空、少需要路線の維持に貢献
回収・配分のあり方、見直しが必要

 

スカイマーク、いぜん大手との格差
大手から発着枠回収、運賃低廉化に評価ウエイト

 

ソラシド、特定既存航空会社へ配慮必要
地方路線の比率・変化率を評価項目へ

 

※写真=小委員会でヒアリングを行った航空各社