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2019.03.20

WING

「はやぶさ2」、小惑星リュウグウに水の存在確認

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月20日、小惑星「リュウグウ」に着陸した「はやぶさ2」に搭載した近赤外線分光計で観測した結果、「リュウグウ」表面には含水鉱物のかたちで水が存在することが明らかになったことを発表した。JAXAら研究チームによる「リュウグウ」における水の存在などに言及した論文が、科学誌「Science」のウェブサイトに日本時間3月20日から掲載された。
 JAXAによると、「はやぶさ2」の近赤外分光計の観測から得られた3μm波長帯のスペクトルを解析したところ、水酸基に起因する微弱な2.72μmの吸収(OH吸収)がみられることが明らかになった。これは含水鉱物が「リュウグウ」表面に存在する証となるという。
 また、「リュウグウ」の反射スペクトルには、OH吸収に加えて、極端に低い反射率や緩やかな正のスペクトル勾配などの特徴がみられた。これらを実験室内で測定したほかの様々な隕石のスペクトルと比較したところ、それらの特徴と合致する隕石は、500℃程度の加熱か10GPaの衝撃を受けた特殊な炭素質隕石に限られるという。つまり、「リュウグウ」も加熱や衝撃による二次的な変性作用を受けたものと考えられるようだ。