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2019.04.04

ウイングトラベル

今年の春闘、交渉が長期化傾向で厳しい情勢

サービス連合、賃金や労働環境改善でせめぎ合い

 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は4月3日、「2019春季生活闘争(春闘)の中間報告を発表した。それによると、3月31日時点で経営側と合意した組合数は33組合となり、昨年同時期の49組合に比べて16組合減少した。このうち満額回答を含めベースアップなどの実質的な賃金改善に対する回答を引き出したのは19組合となった。また、一時金については集計のとれた24組合における夏期一時金平均は1.51カ月となり前年に比べて0.03カ月増となった。また、18組合が合意した年間一時金については平均で3.22カ月となり、18年と同水準となっている。
 今年の春闘の交渉動向について同日行われたメディア向けの説明会に出席した後藤常康会長は「満額回答や若年層への配分を重視した回答を引き出した組合があるなど一定の成果は出ているが、例年に比べ合意に至る時間が長引いており、厳しい交渉が続いている」と総括。賃金関係とともに、今月から施行された働き方改革関連法の動きにあわせて労働環境の改善に関して、組合側からさまざまな要求が出されており、経営側とのせめぎ合いが続いているといった状況である点を強調した。
 今年の春闘では3月31日までに要求書を提出した組合は95組合となった。昨年は115組合となり、20組合減少した。減少要因については従来から4月以降に要求書を提出する組合が一定数存在するほか、組合が所属する企業の統合などで組合の組織体制が変更となり、準備に時間がかかっている組合が存在していることが理由であるとしている。
 要求書を提出した組合はサービス連合が掲げる「35歳年収550万円」の実現に向けて実質的な賃金改善、一時金の要求を掲げ年齢水準の向上への取り組みを行っている。
 ベースアップなどの実質的な賃金改善を要求した加盟組合は72組合となった。このうち46組合が最低保障賃金の協定化を要求した。

 

 ベアなど実質的賃金改善で19組合が合意
 初任給上積みなど若年層賃金改善の動きも
 働き方改革の動き受け、新制度合意の組合も
 出張中の休暇認める「ブリージャー制度」など

※写真=2019年春闘の中間状況を総括するサービス連合の後藤常康会長