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2019.04.09

WING

日本の新大綱に米豪ASEANはポジティブな受止め

中国は否定的、露では「いずも」など関心

 防衛研究所は、日本政府が2018年12月に発表した新たな「防衛計画の大綱(30大綱)」および「中期防衛力整備計画(31中期防)」について、インド太平洋地域に関連する各国がどのように評価しているのか、独自の見解を示した。日本の方針に対し、米国やオーストラリア、ASEAN各国では、比較的ポジティブに捉えるが、中国では否定的な受け止めに。ロシアでは、弾道ミサイル防衛や、「いずも」型護衛艦での航空機運用など、装備計画に関心が示される。また北朝鮮や韓国では目立った姿勢が示されておらず、注目度は低いものと見られる。これらは、同研究所が発行する「東アジア戦略概観2019」の説明で示された見解。各国・地域の担当者が、これまでの研究で分かった日本に対する視点を分析した。
 中国では、日本の30大綱を否定的に捉えているという。中国は、他国の戦略文書などで自国に対する視点に注目しているため、中国を国際安全保障上の強い懸念として断定調で表現した30大綱には後ろ向きだ。中国へ向けた意図がより明確になったことに、警戒感を示しているという。一方で経済関係としては、日中間で改善・発展へ舵を切っている。政治的な意向で、日中防衛交流の数こそ増えているものの、中国内の軍サイドでは、警戒感は常にあるとして、交流の発展は政治主導でない限り難しいとの見方を示した。
 朝鮮半島のうち、まず北朝鮮では日本の動向に鈍感で、軍事面に直接かかわっているように見えないとの見解。韓国については、日本に対して警戒感を滲ませるが、30大綱や31中期防に対するリアクションがなく、日本の方針には敏感ではない。日本への関心は、内部要因が大きいかたちとなっていて、それによって日本に対する態度を決めていると見られる。

 

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