ウイングトラベル
成田−ジャカルタ線、搭乗率目標80%に設定
インドネシア・エアアジアX、法人需要も開拓
インドネシア・エアアジアX(IDX)のスリスティオ・ヌグロホ・ハヌングCEO(最高経営責任者)とリファイ・タベリ コマーシャルディレクターは5月2日の成田−ジャカルタ線の就航記念式典後に記者会見を行い、ジャカルタ線の搭乗率を80%を目指すとともに、法人向けセールスにも取り組んでいき、ビジネス需要の獲得を目指していく方針を明らかにした。一方で、成田以外からの就航に関しては「成田線の需要とエアアジアグループ全体の動きを見据えて判断していきたい」と述べるにとどめた。
同社は昨年の成田−デンパサール線の就航に引き続き、5月2日から成田−ジャカルタ線の運航を開始した。新路線はデイリーで運航。機材はエアバス330-300型機を使用し、座席数はビジネスクラス12席、エコノミー365席の計377席となっている。
運航初便となった2日の成田発のXT408便には326人が搭乗。搭乗率は86.5%となった。一方、ジャカルタ発のXT407便には292人が搭乗し、搭乗率は77.4%となった。初便のフライトを受けてハヌングCEOは「初フライトを成功裡に迎えることができたと考えている。われわれにとって日本は潜在性が高く重要なマーケットであると位置づけている。また、インドネシア人にとっても日本は海外旅行における人気デスティネーションの1つとなっている。そうした中で、日本人、インドネシア人双方にとって利便性の高い路線として成長させていきたい」と述べた。
東京−ジャカルタ間はすでに、日本航空、全日空、ガルーダインドネシア航空が羽田、成田のいずれかから運航しており、激戦区の路線となっている。
そうした中でIDXは後発となるが、タベリディレクターは「日本−ジャカルタ間唯一のLCCであり、新たなマーケットを生み出すことができる」としたほか、ハヌングCEOも「すでに東京−ジャカルタ間には1日6便のフライトがあることは承知しているが、さらに需要が伸びてくると考えている」と述べ、旅客の獲得に自信を見せた。
搭乗率についてハヌングCEOは「航空業界を取り巻く環境はめまぐるしい。そうした状況を加味しながら、手堅い数字として80%という目標を設定した」と説明した。
また、旅客の構成についてタベリディレクターは「大半がレジャー需要であると見ている。ただ、ジャカルタはビジネス需要も多い。われわれが運航する機材にはビジネスクラスも導入しているし、日本の企業も出張コスト低減に対する意識も高まっている。そうした中でLCCの活用も検討してもらえるような取り組みを行っていきたい」と述べ、ビジネス需要開拓に向けた施策にも積極的に取り組んでいく考えを示した。
デンパサール線、1〜3月搭乗率70%台で推移
アグン山噴火の影響「収まりつつある」
また、会見では昨年5月から運航している成田−デンパサール線の状況についても触れた。同路線は就航当初週3便で運航を開始。その後、好調な予約状況を受けてデイリー運航に変更した。しかしバリ島はアグン山の噴火により、昨年末から一時的に観光需要が落ち込む形となった。ただ、IDXのデンパサール線に関しては「2018年第1四半期(1〜3月)の搭乗率は72%で推移しており、火山噴火による影響は収まりつつあるのではないかと感じている」とした。
また、今後の日本への事業展開についてハヌングCEOは「日本のマーケットについて考える上で、ルート拡大は是非ともしたいという思いはある。ただ、いろいろと課題があるのも実情だ。今後の日本への展開については成田線の状況を見た上でしていきたい」とした。
LCC就航で、ジャカルタ観光に注目集まる
観光省、日本でのプロモーションを強化へ
また、今回の記者会見にはインドネシア共和国観光省 ビジットインドネシアツーリズムオフィスの成田忠彦日本地区事務所代表も同席した。成田代表はIDXのジャカルタ線就航に関して「昨年のバリ島路線就航に続き、ジャカルタ線を開設してくれたことにより、日本人渡航者がますます増加していくことを期待している」とコメントした。
さらに「ジャカルタは、ビジネス目的の訪問客が中心となっている。今回LCCの航空会社であるIDXがジャカルタに就航したことにより、レジャー目的の旅行者が増えるのではないかと見ている。これまで日本では、なかなかジャカルタの最新観光情報を提供する機会が少なかった。今回成田からLCCを就航したことにより、ジャカルタの観光素材を改めてプロモーションをしていきたい」と述べた。
また、IDXのタベリディレクターは「われわれはインドネシアの観光促進に対して、大きく関わっているエアラインであると思っている。エアアジアグループとしては、ジャカルタ、デンパサール以外にもクアラルンプールからバンドン、バンダアチェ、ジョグジャカルタといった都市へのフライトを持っている。そうしたネットワークを組み合わせつつ、観光省とも連携しながらさらなる観光促進に貢献していきたい」と強調した。
インドネシア・エアアジアXの成田−ジャカルタ線の運航スケジュールは以下の通り。
▼XT408便=成田11:30発−ジャカルタ17:20着
▼XT407便=ジャカルタ23:50発−成田9:10着(翌日)
※毎日運航
※写真=成田空港で行われた就航記念セレモニーの模様
※写真=記者会見を行うインドネシア・エアアジアXのスリスティオ・ヌグロホ・ハヌングCEO(写真左)とリファイ・タベリ コマーシャルディレクター