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2018.05.08

WING

小野寺防衛相、フィンランド・エストニアを訪問

 防衛協力進展へ、サイバー分野での協力を加速

 小野寺五典防衛大臣は5月4日から7日までフィンランドおよびエストニアを訪問し、両国で防衛相会談に臨んだ。会談では日本との防衛協力の進展を確認するとともに、北朝鮮情勢やロシア情勢など、各国の地域情勢について意見交換を実施。特にエストニアでは、サイバー分野でのさらなる協力の発展について確認した。
 小野寺大臣は5月4日、フィンランドのユッシ・ニーニスト国防大臣と会談を行った。会談では、今後の防衛交流の方向性や地域情勢などについて議論を行ったとした。地域情勢では、日本側から北朝鮮情勢について、拉致・核ミサイルの包括的な解決に向けた北朝鮮の具体的な行動を強く期待している考えを示した。さらに北朝鮮に対し、最大限の圧力を維持するためにもフィンランドを含む欧州諸国とも緊密に連携したい考えを示した。これにニーニスト大臣からは、北朝鮮の核開発が国際社会全体の問題である考えが示され、日本の取組みを支持しているとした。そのほか、ロシアを含む地域情勢についても意見交換を行った。
 防衛協力・交流に関するテーマでは、小野寺大臣から、8月の海上自衛隊練習艦隊ヘルシンキ寄港の予定に触れた。その上で、今後幅広い分野で、防衛協力を深化させていきたい考えを示した。ニーニスト大臣はそれを受け、近年防衛当局間の交流が増えているとし、両国のハイレベル交流や事務レベルでの交流を引き続き進めたい意向が示された。

 

 日本のCCDCOE協力、NATO通じて職員派遣

 小野寺大臣は5月6日のエストニア訪問で、ユリ・ルイク国防大臣と会談を行った。同会談では、サイバー防衛に関する協力の進展に期待感が示された。
 小野寺大臣は今年1月に安倍晋三首相がエストニアを訪問について説明。そのときNATOサイバー防衛協力センター(CCDCOE)への日本の参加承認が発表され、防衛省では今後、職員派遣を通じて、サイバー分野での協力関係を更に発展させたい考えを述べた。ルイク大臣からは、日本のCCDCOE参加を歓迎するとともに、日本とエストニアの二国間、さらにはNATOを通じたサイバー分野での協力を発展させたい考えが示された。また両大臣は、サイバーの分野での協力も含め、協力をより一層強化していくことで一致した。
 また地域情勢については、小野寺大臣から北朝鮮問題に言及した。南北・米朝首脳会談を通じ、北朝鮮が包括的解決に向け具体的な行動をとることに期待感を示した。また、北朝鮮に対し、最大限の圧力を維持するためにも、エストニアを含む欧州諸国と緊密な連携の意向を示した。ルイク大臣は、北朝鮮の核開発が国際社会全体の問題だとし、エストニアとして日本の取組を支持している意向が示された。そのほか、ロシアを含む地域情勢についても意見交換を行った。
 そのほか、小野寺大臣はこの出張で、フィンランドではサウリ・ニーニスト・フィンランド大統領を表敬訪問したほか、エストニアではあまり空軍基地およびCCDCOEの視察を行った。

 

※写真1=フィンランドでニーニスト国防大臣と握手する小野寺大臣(提供:防衛省)

 

※写真2=エストニアではルイク大臣と防衛相会談を実施した(提供:防衛省)