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政府、18年6月の米空軍F-15C墜落の調査結果公表
空間識失調によるパイロット誤操作が原因
防衛省と外務省は4月24日、2018年6月11日に発生した米空軍嘉手納飛行場所属のF-15C戦闘機の墜落事故について、米国政府から日本政府に対し調査結果等に関する情報提供があったとしてこれを公表した。
この事故は、2018年6月11日にF-22との異機種間基礎戦闘機操縦訓練を行っていたF-15Cが嘉手納飛行場の南方約112キロ(約70マイル)の太平洋上に墜落したというもの。防衛省と外務省が発表した調査結果等の概要によれば、今回の事故は訓練中に空間識失調に陥ったパイロットのミスによるものとして、機械的な欠陥や設計、あるいは航空機整備に起因するものではなかったとしている。
また米太平洋空軍の公式報告書によれば、事故当日は第44戦闘飛行隊のF-15C戦闘機2機と第525戦闘飛行隊のF-22戦闘機1機の計3機で異機種間基礎戦闘機操縦訓練を行っていたところ、日本時間の06:17時に尾翼番号84-0008のF-15Cが墜落したと述べている。
事故機の動きとしては次のように説明している。訓練中、F-22戦闘機に対し防御態勢を取るために高度約5400フィート、対気速度約180ノットの速度で、機首角度65度、右にバンク角20度、迎え角39度の姿勢、重力加速度1.2Gで垂直上昇を開始。高度6300フィート付近を頂点に対気速度105ノットで降下に転じる前に、事故機パイロットは機体が思う通りの動きをしていないと感じ、空間識失調の状態のまま右ラダーペダルを一杯に踏み込みながら、操縦桿を前方に押すという誤操作を行った。結果、事故機は右にバンク角110度、機首下げ65度、迎え角マイナス26度の姿勢となり、重力加速度も1.2Gからマイナス0.3Gまで変化。機体は偏揺れと横揺れを伴いながら降下し、マイナス重力による飛行制御の喪失に陥り、急激な横転後にスピンしながら緊急脱出可能最低高度の地上約6000フィートを下回った。パイロットは機体を立て直すことができずに、高度約1100フィートで緊急脱出した。
※写真=嘉手納飛行場を飛び立つF-15C(提供:米空軍)