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2019.04.26

ウイングトラベル

京王観光「大阪支店」閉鎖へ、JR発券不正で

不正約6000万円、JR各社に1億8100万円賠償

 京王観光は4月25日、大阪地区支店内で起きたJR団体乗車券と回数券を使った不正行為について、大阪支店、大阪西支店(昨年11月に大阪支店に統合)、福岡支店の3支店で、約110件の不正行為が行われ、不正金額は約6000万円だったとの調査結果を公表した。不正行為には12人が関与し、うち4名は一部を私的に着服していた。これを受け、同社はJR各社に計約1億8100万円の賠償額を5月31日までに支払うほか、役員等に対する処分と役員報酬の自主返上を行う。不正行為に関与した社員については、着服の事実も勘案し、解雇を含む厳正な処分を行うとしている。不正行為を行っていた大阪支店は閉鎖する。

 

 背景に企業合併、人事交流少なく独自の文化
 強い利益意識と人事の固定化が不正の温床に

 不正行為の背景として、昔の企業合併があるとした。京王観光は1953年創立、しばらくは首都圏のみで営業していたが、1969年に関西に地盤のある桜菊観光と合併、大阪支店は桜菊観光の流れをくむ支店として、首都圏や他地域への転勤や他地域からの赴任もほとんどなく、独自の組織文化が維持・継承されてきたとしている。

 

 営業管理システム刷新、属人的な要素排除
 営業担当のジョブローテーションをルール化

 このため再発防止策では、大阪地区の人事を刷新。大阪支店と大阪西支店の支店長を更迭し、大阪西支店と大阪支店を統合、新支店長を東京から赴任させた。

 

 社長や取締役ら減俸処分、監査役も自主返上
 JR、同業者、関係者、顧客らに改めて謝罪

 役員等に対する処分では、越水陽太郎代表取締役社長と佐野文隆取締役(前旅行事業部副事業部長)を月額報酬の30%を3ヶ月減俸、竹内健常務取締役(経営管理部長)と竹内敬一取締役(旅行事業部長)を月額報酬の30%を2ヶ月減俸、岡部政志取締役(旅行事業部副事業部長)と中野伸二取締役(保険事業部長)を月額報酬の10%を1ヶ月減俸、福田淳監査役は月額報酬の10%を1ヶ月自主返上する。