ANAHD18年度決算、売上高2兆円の大台突破

営業利益1650億円で過去最高を確保

　ANAホールディングスが4月26日に発表した2019年3月期決算（18年4月1日～19年3月31日）によると、連結売上高が4.4％増えた2兆583億円と、2兆円の大台を突破して、過去最高を更新した。損益ベースでは、営業費用が4.8％増の1兆8932億円となって、本業の儲けを示す営業利益が0.3％増加した1650億円と過去最高を更新した一方、整備部品の除却が増加したことなどにより、経常利益は2.5％減少した1566億円となった。さらに、前期はピーチ・アビエーションを連結子会社化したことによる特別利益があったものの、今回はそうした特別利益はなかったため、最終純利益は23％減少した1107億円に留まった。
　会見を行った福澤一郎執行役員によると、自然災害や、ロールス・ロイス社製エンジンの点検整備に伴う欠航が発生したが、国内線では「新たな運賃制度のもと、堅調な需要を着実に捉えて前期を上回る収入となった」という。さらに国際線は「足元でアジア線の供給増加によって競争が激化しているものの、第3四半期までの好調が影響した」として通期で大幅増収となったことを説明。しかし一方で、燃油市況が大幅に上昇したため、燃油費が前期よりも330億円増加したほか、中期経営計画にも示した安全と品質の総点検によって、全体の費用が860億円の増加となった。
　なお、2020年3月期の見通しについては、売上高が916億円増加する2兆1500億円と予想。損益面でも、営業利益は19年3月期並みの1650億円、経常利益は33億円増える1600億円とみており、最終純利益が27億円減少する1080億円を見込む。

※写真＝会見を行ったグループ経理・財務室長兼財務企画・IR部長の福澤一郎執行役員