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NAAさらなる機能強化、期限なしで土地取得合意推進
松本取締役、変更許可申請「軽々に決定できない」
成田国際空港会社(NAA)は、3本目滑走路整備を含む成田空港のさらなる機能強化に向けて、航空法に基づく施設等の変更許可申請を行う時期については、期限を設けずに残った土地の地権者へ取得合意を得ていく方針を示した。これは4月26日の定例会見で説明した機能強化の取組み方針で、松本大樹取締役は「悩んでいる人がいることを考えれば、今の段階で軽々に日にちを決めことはできない」と述べて、地元の心情を重視する。しかし一方で「ただし、しかるべきところで判断しなければいけない」とも話し、判断の難しさを垣間見せた。
NAAによれば、3月末時点で拡張予定地の92%の合意を得ている。これは面積ベースで、今は残り8%の土地の地権者に対して説明を行っている段階。あるいは、相続の登記手続きが行われていないケースに対して地権者の確認を行っているところだという。拡張予定地の地権者は約1400人と見ていて、合意に至った地権者の人数としても、おそらく9割前後まで達しているとの見通し。ただし人数では、相続の確認いかんで人数変動の可能性があり正確性を欠くため、基本的に面積を基準に土地の取得合意を進めている。
松本取締役は、まだ同意に至っていない地権者について「やはり、先祖から代々受け継いできた土地を手放すことになるため、大変重い決断になる」という。NAAとしては最大限説明を行うものの、「悩みを深くしたり、反発を生んだりすることにつながりかねないので、期限を決めない」として、100%合意を目指していく姿勢だ。
今後、変更許可申請を行う際には、土地の利用可能性を確認するため、地権者の土地の同意書を可能な限り多く取得していることが必要になる。そのため、NAAでは拡張予定の地権者を回って、土地の取得について説明し、理解を得ているところ。さらに環境アセスメントについては、環境大臣の意見書が発表された。今後、国土交通大臣が環境大臣の意見を踏まえて意見書を発表した上で、NAAから最終的な報告書を発表することとなっている。環境アセスには各種の設計図書が必要だという。これは詳細な施設の計画で、敷地の範囲などを確定する必要がある。
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