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過去最長10連休、GWの航空各社実績は軒並み好調
国際長距離線や中国など好調、国内線旅客は各社で大幅増
改元に伴う過去最長の10連休という超大型連休となった今年のゴールデンウィークを、航空各社は好調な旅客実績で終えることに成功した。航空各社が5月7日、一斉にゴールデンウィーク利用実績(4月26日~5月6日:計11日間)を発表した。
大手航空会社2社の実績をみてみると、全日空(ANA)の国際線旅客数が1.9%増加した33万476人、国内線が12.9%増加した173万2194人。一方の日本航空(JAL)は国際線旅客数が4.1%増の29万2464人、国内線も17.7%も増加した117万7293人と、それぞれ好調に推移した。超大型連休を使って欧米線などの長距離線が好調だったほか、ハワイなどのリゾート、さらには中国線も好調。10連休という長い休みを海外で過ごした人が例年以上に増えたことが浮き彫りとなった。
ただ、国際線以上に実績が好調だったのが国内線だ。大手2社の実績をみても分かるように、ANA、JALともに二桁以上の伸び率を記録。ANA、JALともに全方面で旅客数が前年を上回った。
JR各社がまとめた実績でも新幹線・特急利用者が2001年以降、過去最多となる1516万8000人を記録。道路も高速道路で長い渋滞が散見されており、航空、鉄道、道路各社の実績が軒並み好調だったことなどから、長い休みを活用した国内移動も活発だった様相がうかがえる。
LCC各社の期間中の実績も好調。ピーチ・アビエーションの国際線旅客数は13%増加した8万1020人、国内線も5%伸ばした11万9216人と好調。ジェットスター・ジャパンは国際線は座席供給量を17.3%絞ったことから旅客数が12.5%減少。国内線は座席数を10.5%増やしたものの、旅客数は18%増加した20万750人だった。
ブランドを新たにしたSPRINGは座席供給量を国際線で77.3%、国内線は195.5%増やしており、旅客数も国際線が79.4%増と大きく増加した1万4016人、国内線は184%増と大幅に増やした2万1484人だった。
また、ピーチ・アビエーションと統合するため、今回が最後のゴールデンウィークとなったバニラエアは、統合に向けた運休が生じているため、旅客数ベースでは前年を大きく下回る結果に。しかしながら、利用率ベースでは前年を小幅ながら下回ったものの、国際線、国内線ともに80%の大台は維持した。
その他、中堅キャリアではスカイマークの旅客数が前年比12%増加した25万7868人を記録。同社は提供座席数を10%増やしたものの、それを上回る旅客数を確保して好調。ソラシドエアは旅客数が11.7%増加した7万7624人で、こちらも好調だった。
またスターフライヤーは国内線の旅客数が8.4%増加し、搭乗率も91.7%となるなど好調だったが、国際線の搭乗率は70.8%に留まっており、課題の残る実績となったほか、AIRDOは本拠の北海道の需要が高かったことから、旅客数が17.5%増加した9万912人、搭乗率も9.4ポイント伸ばした94.4%を記録。そして、フジドリームエアラインズは旅客数ベースで21.1%増加した6万1897人となっており、搭乗率も前年比12ポイント上昇した90.5%と、各社で好調だった。
■ANAのGW、国際旅客1.9%増、国内旅客は12.9%増加
10連休で国際・国内線ともプレジャー需要好調
全日空(ANA)が5月7日に発表したゴールデンウィーク期間中(4月26日~5月6日:計11日間)の利用実績によれば、国際線旅客数が前年同期比1.9%増の33万476人と堅調に増加。一方の国内線旅客数は12.9%増加した173万2194人と、大きく実績を伸ばすことに成功した。利用率ベースでは国際線が0.7ポイント伸びた81.6%、国内線は9.7ポイント増加した85.3%だった。
ANAによると、改元に伴う10連休ということもあって、国際線、国内線ともに好調に推移。国際線では日本発のプレジャー需要が好調で、旅客数・利用率ともに前年実績を超えた。方面別では北米線、欧州線、中国線、そしてリゾート線が好調だった。
※写真=ANAのゴールデンウィークは国際、国内ともに好調。国際線は欧米線などの長距離線や中国などが人気。国内線旅客数増加が際立つ
■JAL、GWは国際線搭乗率0.5ポ増、国内11.8ポ増
国際線は中国好調、搭乗率94.6%で旅客も大幅増
日本航空(JAL)が発表した2019年度ゴールデンウイーク(2019年4月26日~5月6日)の実績は、国際線の搭乗率が前年同期より0.5ポイント上昇した86.1%となった。全方面で比較的高い搭乗率を維持し、特に中国線とグアム線が高いものとなった。国内線(JAL/J-AIR/HAC)では、東北・北陸、中国・四国、九州、沖縄方面が特に好調で、搭乗率は11.8ポイント上昇した89.9%となった。10連休の長期休暇によって、国際・国内とも搭乗率は好調。特に国内線は顕著で、1割以上も上昇した。
国際線では、提供座席数が3.5%増となる33万9868席に対して、旅客数が4.1%増の29万2464人となって、搭乗率が86.1%となった。特に方面別で中国線の搭乗率が94.6%、グアム線が90.7%と9割を超えて好調だった。中国線では座席数7.7%増の5万9984席、旅客数16.1%増の5万6716人と、需要が供給を超える伸びを見せて、高い搭乗率となった。一方のグアム線では座席数が34.4%減の6360席、旅客数が33.6%減の5768人となって、需給調整によって高い搭乗率となった。
国内線、東北・北陸などで旅客大幅に増加
※写真=10連休という過去最長の連休はJALの実績に大きくプラスに。国際線、国内線ともに大きく前年を上回る実績となった