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2018.05.10

ウイングトラベル

ギャラクシーとモンテカルロSBM、日本参入に意欲

ワールドクラスの日本版IR実現、日本体制強化

 マカオで最大級の統合型リゾート(IR)を運営するギャラクシー・エンターテインメント・グループ(GEG)と、モナコを象徴する高級IR施設を運営するモンテカルロ・ソシエテ・デ・バン・ド・メール(モンテカルロSBM)は、5月9日に都内ホテルで会見し、戦略的パートナーシップのもと、日本でのIR事業運営権の獲得をめざす方針を発表した。アジアと欧州を代表するIR大手が手を組むことで、「真のワールドクラスの経験ができる、日本ならではのIRモデルを作りたい」(マイケル・メッカGEG取締役相談役)として、日本参入に強い意欲を表明した。これに伴い、日本のIR開発担当チームの体制強化も発表した。
 会見には、マイケル・メッカGEG取締役相談役と、モンテカルロSBMのジャン-リュック・ビアモンティ会長兼CEOの両社トップが顔を揃えた。
 また、日本開発担当チームの新体制では、テッド・チャンGEG日本地区最高執行責任者(COO)のもと、岡部智GEG日本地区総支配人、高木ジムGEG日本地区財務責任者、企画・広報担当の高木あゆみ氏が新チームに加わった。既存チームのジェレミー ウォーカーGEG国際開発部門バイス・プレジデントと伊佐幸夫日本地区顧問(前GEG日本代表)とともに、日本でのIR開発プロジェクトを新体制で加速させていく。

 

 メッカGEG取締役、日本ならではのIR実現を
 モンテカルロSBMCEO、比類ないIRに自信

 会見冒頭に挨拶したマイケル・メッカGEG取締役相談役は、「モナコ公国の友人と手を組み、日本でのIR参入をめざす取り組みを嬉しく思う。ギャラクシーは、“本物”であることを最も重要視しており、真のワールドクラスの経験を提供している。また、モンテカルロSBMは、モナコを高級で洗練された世界的観光地に育て上げた150年の業績がある。互いに能力を結集し、強力なビジョンを共有し、他市場には見られない日本ならではのIRのモデルを作り、ワールドクラスの日本の体験を実現したい」と述べ、両社の力を結集して日本でのIR市場参入をめざす方針を強調した。
 モンテカルロSBMのジャン-リュック・ビアモンティ会長兼CEOは、「我々は世界で三本の指に入るIRになった。モナコを世界で最も成功した観光地に変えた。毎年何百万人もの観光客がモナコを訪れ、何億人もの人々がテレビでテニス、F1などの世界的イベントを通じてモナコを楽しむ。日本でもハイクラスな欧州のライフスタイルの象徴としてモナコは認知されている」と、モナコはIRによる観光先進国実現の成功例であることを強調した。
 また、「ギャラクシーは比類ない実績をアジアで有し、財務的にも非常に成功し、モナコのプロパティと遜色ない質を持つ」とした上で、「両社が同じ価値観を有していることが最も重要。ワールドクラスの施設やサービスに一貫性があり、その価値観は日本のおもてなしの心とも共通する」として、「我々はアジアの大手と連携し、日本のパートナーと連携し、ベストオブジャパンをめざす。独創的で本格的な、比類ないIRをめざす。顧客の期待を超える素晴らしいIRを提供できると確信している」と自信を示した。

 

 チャン日本地区COO、参入地域は選択的に
 岡部日本地区総支配人、世界最高水準のIRに自信

 IR実施法案が可決成立すれば、まずは第一段階として、日本の3カ所程度でIRの導入が認められるものと見られている。大阪万博誘致と相まって大阪はIR誘致にいち早く名乗りを上げているほか、ハウステンボスのある長崎、愛知、横浜などで誘致の動きがあり、自治体間の誘致競争も今後加熱していくことが見込まれる。
 日本市場参入にあたり、GEGとモンテカルロSBMはどのエリアでの参入をめざすのか。テッド・チャンGEG日本地区最高執行責任者(COO)は、「多くの都市が手を挙げており、ギャラクシーは様々な都市と話を進めている。日本全域に関心を持っている」としながらも、「ある程度は選択的にならなければならない」として、どこが区域認定されるのかも含めて提携先の自治体を慎重に見極めていく考えを示唆した。
 また、岡部智GEG日本地区総支配人は、「まさに世界中から日本をめざしてIRビジネスを展開しようという厳しい競争環境。それを喜んで受けたい。実力があれば選ばれるし、公正な判断を規制当局には望みたい」との見解を示した。
 岡部氏は、電通で7年間にわたりIR観光プロジェクト部長を務め、今回、GEGの日本地区総支配人として参画することとなった。「ギャラクシーの魅力は、想像以上に柔軟性のあるグローバル企業。世界中から優秀な人材を集めている。また、他のIRにはないワールドクラスのホテルチェーンを備えている」とその独自性を強調。そこに150年以上の歴史を有するモンテカルロSBMの強みが加わることで、「世界最高水準のIRを作りたい。その力がギャラクシーとモンテカルロSBMにはある」として、優位性を改めてアピールした。

※写真=左から、岡部智GEG日本地区総支配人、ジャン-ルイ・マシュレル モンテカルロSBMインターナショナル マネージング・ディレクター、マイケル・メッカGEG取締役相談役、ジャン-リュック・ビアモンティ モンテカルロSBM会長兼CEO、テッド・チャンGEG日本地区最高執行責任者