記事検索はこちらで→
2019.05.30

WING

ANA、グループ訓練集約した「Blue Base」公開

最新技術やノウハウの結晶、安全こだわる人財育成拠点に

 全日空(ANA)は5月29日、グループ総合トレーニングセンター「ANA Blue Base」(東京都大田区羽田旭町:ブルーベース)を報道陣に公開した。
 ブルーベースの総敷地面積およそ3万2800平方メートル、建物面積およそ約6万500平方メートル、鉄骨構造の地上8階建て。ANAはこのブルーベースに最大22基ものフル・フライト・シミュレーターを設置することができるスペースを確保したほか、実物のエンジンや主脚などといった整備訓練ツール、さらには複合現実(MR)や仮想現実(VR)を用いた最新の訓練機器を導入する。一方で茶室を設置して、客室乗務員が日本のおもてなしの心を学ぶことができるようにするなど、多方面の訓練を一カ所に集約して行うことができる、日本最大級の訓練施設を構築した。
 ちなみにブルーべースは2020年6月を目途に、施設内を見学することができるようにする。最新のデジタルデバイスやモビリティを活用して、各種トレーニング設備やANAの歴史などを学ぶことができるようにする。こうしたコンテンツを盛り込んだ航空会社の訓練見学施設は、世界で初めて。そのほか、安全教育センターやANAのグループ行動指針を学ぶ教育・研修施設としての機能やテレワークのサテライトオフィスとしての機能も保持する。
 ANAによればこのブルーベースが竣工したのは今年3月のこと。4月15日に一部運用をスタートし、全面運用は2020年6月を計画している。これまでANAの訓練施設は羽田空港周辺に点在しており、グループの訓練、教育、研修機能をブルーベースに集約することで、例えば、部門間で連携が必要な場面の訓練を行うことができるようになるなど、訓練の効率化や品質を高めていくことができるようになる。

 

最大22基設置可能なFFS
20年中に保有17基のFFS移設完了

 

実物エンジンや主脚で充実訓練

 

CA訓練に初の「茶室」誕生
おもてなしの心学ぶ

 

※写真=羽田旭町に完成した「ANA Blue Base」

※写真=フルフライトシミュレーターは最大22基設置することができる。写真は787-9型フルフライトシミュレーター

※写真=建物面積およそ約6万500平方メートル、地上8階建ての巨大な建物である「ANA Blue Base」。広大な建物内を貫く通路も長い

※写真=整備士は実物のエンジンを用いて訓練を行う。主脚や客室モックアップなども備え、ヴァーチャル・リアリティやミックスド・リアリティも用いる

※写真=茶室を使って日本のおもてなしの心を学ぶ客室乗務員