ウイングトラベル
旅行収支の黒字で、米国貿易赤字を補填
USTダウCEO「Travel is Trade」強調
IPWを主催するUSトラベル・アソシエーション(UST)のロジャー・ダウCEOは、IPWアナハイム開催中の6月4日(現地時間)に会見し、「今後3年間で米国での直接滞在消費額は55億ドルを生み出すと発表した。ダウCEOは、世界の旅行市場での米国のシェアが減少傾向にある中で、海外からの訪米インバウンド旅行を促進するIPWの重要性を強調した。
とくに、米国のロングホールの旅行のシェアは2015年の13.7%をピークに、2016年13.0%、2017年12.2%、2018年11.7%と下がっている。
しかし、ダウCEOは「米国には希望がある」と指摘し、トランプ大統領と会談した際に、「Travel is Trade, Travel is Security, Travel is Commerce」を強調するとともに、「我々は米国の経済と雇用に旅行がいかに重要であり、いかに旅行が米国の貿易赤字を減らすかということについて話し合った」と述べた。
それを裏付けるものとして、ダウCEOは米国と各国との旅行収支の状況を明らかにした。それによると、最大の黒字額は中国との年間約300億ドルで、次いでカナダと日本が約130億ドル、インド、ブラジルが約111億ドルと続く。ヨーロッパは米国からの旅行者が多く、黒字額は少なく、米国とフランスの旅行収支は米国の赤字となっている。
旅行収支を見ると、米国旅行産業界が中国市場に力を入れていることが分かる。また、日米間では、米国からの訪日旅行者が伸びている一方で、日本からの訪米旅行者が停滞しており、成長しているインド、ブラジル、韓国などの猛追を受け、米国へのアウトバウンドの拡大が課題となっている。
※写真=記者会見するUSトラベル・アソシエーションのロジャー・ダウCEO
※グラフ=米国と各国との2017年旅行収支状況