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2018.05.14

ウイングトラベル

KNT-CT通期、増収増益で最終黒字14億円

個人事業復調し増収増益、団体は反動減も堅調

 KNT-CTホールディングスの2018年3月期(17年4月〜18年3月)の連結決算は、売上高が前年比2.3%増の4051億7200万円、営業利益は7.0%増の31億7700万円、経常利益は9.8%増の33億4200万円、当期純利益は前期比で27億4100万円改善して14億1200万円の最終黒字を計上し、増収増益を達成した。
 海外旅行はハワイやアジアの好調に加えて北米やオセアニアも回復したほか、国内旅行でも沖縄等が堅調で、売上高は前期比91億円増、2.3%の増収を達成した。ここから売上原価を引いた売上総利益はほぼ前年並みの716億円を確保、販管費等もほぼ前年並みで、営業利益は前期比2億円増、7.0%の増益となった。これに受取利息等の営業外収益3億6300万円を加え、営業外費用1億9700万円を差し引いた経常利益は前期比2億9700万円増、9.8%の増益となった。
 特別損益では、前期は減損損失38億4500万円を計上したことなどから最終赤字に転落していたが、今期は事業構造改革関連費用などを計上したものの特別損失は5億900万円に抑え、当期純利益14億1200万円を計上、最終黒字に転換した。
 セグメント別では、「個人旅行事業」の連結売上高は前年比3.8%増の2284億3700万円、同連結営業利益は114.3%増の14億8700万円と増収増益だった。 
 国内旅行のメイトでは、トワイライトエクスプレス瑞風を貸し切ったツアーなど話題性のある商品を提供。海外旅行のホリデイでは、ヨーロッパ方面を中心にクラブツーリズムとの共同催行を拡充したこと等により販売を拡大した。Web販売では「国内ダイナミックパッケージ」を導入。クラブツーリズムは企画力に富んだテーマ性のある商品を展開、「ダイヤモンド・プリンセス」のチャータークルーズや、「ロイヤルクルーザー四季の華」で最高級車両「碧号」を導入するなど、高付加価値商品を拡充した。訪日旅行ではサイトをリニューアルした。
 「団体旅行事業」の連結売上高は前年比1.0%減の983億9000万円、同連結営業利益は4.8%減の8億3300万円と減収減益だった。
 平昌冬季オリンピック・パラリンピックの観戦ツアー指定旅行会社として各種ツアーを受注。2020年東京大会に向けた事前合宿等の受注にも注力した。また、今年で5年目を迎える近畿日本ツーリストのオリジナル国際交流イベント「ジャパン ベトナム フェスティバル」を開催した。ただ、前期の大型団体受注の反動などから、前期比では減収減益となった。
 「その他」の連結売上高は前年比2.4%増の780億5400万円、同連結営業利益は17.0%減の7億7100万円と増収減益だった。
 北海道、東北、中国四国、九州の各地域会社で地域密着のきめ細やかな営業活動とグループ一体となった販売活動を展開。九州では「西郷どん」大河ドラマ館の運営管理業務を受託した。

 

 次期通期連結予想は増収減益、IT投資で負担増
 事業構造改革で税金削減、最終利益は増益に

 2018年度(18年4月〜19年3月)の次期通期連結業績見通しについては、売上高は前期比2.9%増の4170億円の増収を見込むものの、営業利益は15.0%減の27億円、経常利益は13.2%減の29億円、当期純利益は55.7%増の22億円を予想している。
 営業利益、経常利益で減益を見込むのは、ITシステム投資による減価償却負担の増加、販管費の増加が見込まれるためとした。一方で、当期純利益の増益に関しては、事業構造改革により税金削減が見込まれることから、7億8800万円の増益が見込まれるとした。

 

※写真=KNT-CT HD決算会見に出席する左から西崎一専務取締役、丸山隆司社長、中村哲夫取締役