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エアバス、A321XLRを正式にローンチで23年納入開始
航続距離は最大約8700km、ボーイングNMAの対抗馬に
【仏パリ発=伊藤学】エアバスは6月17日(仏現地時間)、開催中のパリ航空ショーにおいて、これまでローンチすることが囁かれてきたA321XLRを正式にローンチすることを発表した。その航続距離は最大で4700海里(約8704キロメートル)に達し、A321LRと比べても15%延びる。エアバスはこの機体を2023年から顧客に対する引き渡しを開始する計画だ。エアバスによれば、競合機に比べておよそ30%燃費を低減することができるとしている。なお、座席数は標準で180席~220席程度となるとしており、ボーイングが来年にもローンチする見通しにあるNMAに対抗する。ボーイングは737MAX問題でNMAのローンチは後回しにせざるをえず、エアバスの戦略の後手に回らざるを得ない苦しい状況だ。
エアバスはA321XLRの開発に際して、A321LRおよび他のA320neoファミリーと最大限共通化することを掲げている。エアバスでは広胴機では投入することが難しいながらも、航続距離が長い路線に対して投入することが可能になり、新たなマーケットを開拓することができるとみている。例えば、インド-欧州、中国-豪州、そして欧州-米国間で、新たな路線を開拓することに繋がるだろうとの見方を示した。
主な変更点としては、後部中央部にある燃料タンクの設計を新しくすることで、搭載することができる燃料量を増やす。さらに、降着装置の設計を新しいものに変更することで、最大離陸重量(MTOW)を101トンへと増強する。
また、翼のトレイリング・エッジ・フラップを最適化することで、A321neoと同様の離陸性能を保持すると共に、エンジン推力要求を満たすことができるようにする。
エアリースコーポレーションが27機のA321XLR
50機のA220-300や23機A321neoなど計100機
ミドルイーストエアラインズ、A321XLRを4機
※画像=エアバスがA321XLRをついにローンチ。ボーイングが737MAX問題でNMAのローンチを足踏みするなかエアバスが先手を打って市場の刈り取りに乗り出した(提供:エアバス)