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スペースジェット、「M100」構想をパリで披露
新エアフレームや軽量材採用、開発要素多く23年投入可能か
【仏パリ発=伊藤学】三菱航空機は6月17日(仏現地時間)、開催中のパリエアショーにおいて記者会見に臨み、コンセプトスタディ中の三菱スペースジェット「M100」の構想について披露した。親会社である三菱重工の了承を経て年内にも正式にローンチに漕ぎつけたいところで、この新派生型機を早ければ2023年にも市場へ投入したいとの思惑だ。ちなみに、「M100」に続く機体として従来の長胴型のMRJ100Xについては「M200」という名称を正式に明らかにしたが、この「M200」については構想段階で、「M100」の開発・市場投入などにあわせて検討を進めていく方針だ。
三菱航空機のアレックス・ベラミー最高開発責任者(CDO)によれば、M100では軽量化を目指して従来のMRJ70とは異なった新たなエアフレームとする考えで、複合材や新しい金属合金などの軽量な素材を採用する方針。さらには新シート、ムードライティング、ワイヤレス機内エンターテイメントシステム、高速ブロードバンドインターネット接続、ライブTVなど、MRJにはなかった最新の機内サービス設備も導入するとのことだ。
開発要素が多岐に亘ることから仮に年内にローンチに漕ぎつけたとして、新たなエアフレームや素材、各種エンターテイメントシステムを採用することになれば、目指す2023年に市場投入することができるのか。競争力を高めるために「M90」の単なる短胴型ではなく新型機に近いような開発要素を盛り込むだけに、その開発スピードが気になるところ。
※写真=パリエアショーでM100のコンセプトスタディ内容を発表した三菱航空機。新たなエアフレームや新座席、エンターテイメントシステムなどを導入する。2023年に商業運航開始を目論むが開発要素が大きいだけに果たして?
写真=三菱スペースジェット「M100」の客室モックアップ。パリショーで公開した