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SUBARU BELL412EPX、警察庁から1機受注
UH-Xの民間型初受注に成功、アジア市場獲得へ弾み
【仏パリ発=伊藤学】SUBARUとベル・ヘリコプター・テキストロンは6月18日(仏現地時間)、開催中のパリエアショーにおいて、両社が共同で開発に取り組んだ「SUBARU BELL412EPX」を警察庁から1機受注したことを発表した。「SUBARU BELL412EPX」は、SUBARUが陸上自衛隊向けに開発した新多用途ヘリコプター(UH-X)の民間向けの機体。既にUH-Xの試作機は今年2月28日に防衛省に対して納入を完了。今回は民間型の初受注となった。SUBARUによれば、警察庁への引き渡しは2021年3月を予定している。
そもそも陸自向けUH-Xは去る2015年9月にSUBARUが防衛省から試作機の制作を受託。ベル・ヘリコプターが開発した412EPI発展型機をべースとして共同開発に取り組んだ。その民間型機として「SUBARU BELL412EPX」も開発。昨年7月には米連邦航空局(FAA)から型式証明を取得し、今年1月には日本の航空局からも型式証明を取得済みだ。こうしたことを受けてSUBARUとベル・ヘリコプターは、日本国内外で本格的な売り込みを展開しているところ。
パリエアショーにおいて、本紙らの取材に応じたSUBARU航空宇宙カンパニーの戸塚正一郎カンパニープレジデントは今回の「SUBARU BELL412EPX」初受注について、「最初の機体をセールスすることを発表できるということは、これほど喜ばしいことはない」とコメント。SUBARUは「SUBARU BELL412EPX」事業をベルとスタートすることを昨年のファンボローで発表しており、およそ一年を経て初めての受注に漕ぎつけたかたちだ。
※写真=初のSUBARU BELL412EPX受注を祝してSUBARUとベルの関係者が記念撮影
※写真=取材に応じる戸塚プレジデント(左)とベルのハシント・モンヘ氏(右)