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三菱航空機、北米の匿名客とM100で商談開始
2024年から15機納入で商談テーブルに
【仏パリ=伊藤学】三菱航空機がスペースジェット構想を披露したパリエアショーで6月19日(仏現地時間)、3クラス仕様(座席数:65席~76席)の「M100」15機分について、北米の匿名客との間で商談を開始する覚書(MOU)を締結したことを発表した。仮に商談が成立すれば、2024年から納入を開始する方向で調整中だ。M100は未だ正式にローンチされた機体ではないものの、構想を発表早々に顧客が具体的な商談テーブルに付いたことは、スペースジェットにとって力強い追い風となった。
去る6月17日にスペースジェット構想を正式に披露したパリエアショー。3日目にあたる19日朝に、報道各社の元にリリースが送付された。
具体的な商談の開始は、三菱航空機にとっても嬉しい誤算。今回のエアショーの目的はスペースジェット構想の披露と型式証明試験の順調ぶりをアピールすること。そのために飛行試験3号機にスペースジェット塗装を施して、飛行試験の合間を縫ってパリエアショーに送り込んだ。
当初は初日のみ地上展示する計画だった飛行試験3号機の「M90」。三菱航空機からすれば、外見こそスペースジェット塗装だが、中身は旧来のMRJと変わらないこともあって、いち早く飛行試験に戻すことを予定していた。しかしながらショーが開幕してみると、顧客候補などを中心に多くの人々が注目し、内覧希望が続出。そこで急遽、地上展示を延長することができないか、名古屋、モーゼスレークのチームと調整した結果、一日延長することを決定した。
※画像=スペースジェットのM100の商談がスタート。2024年から15機を引き渡すことで交渉のテーブルについた(提供:三菱航空機)
※画像=M100のモックアップ