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2019.08.01

ウイングトラベル

2019年春闘、賃上げ実現も一時金はマイナスに

人財投資に一定の理解も、経営側は慎重な回答

 サービス・ツーリズム産業労働連合会(サービス連合)は「第19回定期大会」を開催し、2019春季生活闘争(春闘)の総括を行った。今年の春闘ではいわゆるベースアップに相当する「実質的な賃金改善」に関する回答を引き出すなど一定の成果を得られた。一方で、一時金に関しては業界の先行き不透明感などを理由に経営側が回答に慎重となったことが影響し、前年実績を若干下回る結果となった。
 定期大会の内容を踏まえて、7月31日に記者会見を行ったサービス連合の後藤常康会長は「交渉の長期化や一時金の実績が伸び悩んだことはあったが、加盟組合の粘り強い交渉で賃金改善の取り組みが浸透した。また、人財確保の重要性から初任給や若年層の賃金引き上げについて回答を引き出した組合もあったことから、一定の評価をしたい」と総括した。
 サービス連合が発表した6月19日までの春闘活動状況によると、今年の春闘で要求書を提出した組合は116組合となった。昨年の136組合からはマイナスとなったが、これは企業合併などにより組合の統合が行われたことによるものであると説明した。
 要求書を提出した組合のうち、102組合が6月19日までに合意に至った。
 賃金改善については、81組合が回答を引き出した。また、実質的な賃金改善については46組合が回答を引き出した。
 賃金改善額については6月19日までに集計ができた18組合の平均を見ると、前年比0.11%増の6472円となった。このうちツーリズム・航空貨物は10組合の平均は0.22%増(209円増)の7103円となった。一方、ホテル・レジャー事業は8組合の平均は5097円となり0.15%のマイナスとなった。

 

■19年度重点政策、公正な取引の推進など6項目策定
 持続可能な産業の実現に向けた活動を推進
 2020年は発足から20年、長期ビジョン策定へ
 業界のあるべき方向見据え、今後1年かけ検討
 本部役員の改選を実施、後藤会長が再任

※写真=記者会見で今年の春闘の振り返りや重点政策などを説明するサービス連合の後藤常康会長