記事検索はこちらで→
2019.08.26

WING

陸自、19式装輪155mm自走りゅう弾砲を一般公開

迅速に展開、端末で操砲を行う様子を展示

 今回の富士総合火力演習では、現在防衛装備庁で評価・試験が行われている「装輪155mmりゅう弾砲」こと、「19式装輪155mm自走りゅう弾砲」が登場し、一般公開となった。
 この車両は、陸上自衛隊が持つ牽引式榴弾砲の「155mmりゅう弾砲(FH-70)」の後継として開発が進められていたもの。構想当初は「火力戦闘車」と呼ばれていたが、「装輪155mmりゅう弾砲」として2013年(平成25年)度予算から開発が始められていた。前述の通り、防衛装備庁には2018年5月31日までに5両の試作車両が日本製鋼所より納入されており、現在制式化に向け評価・試験中となっている。今回、「19式装輪155mm自走りゅう弾砲」として一般に公開されたため、来年度以降の予算から調達が始まるものとみられる。
 この19式装輪15自走榴は、陸自が持つ「99式自走155mmりゅう弾砲(99HSP)」の様な装軌式車体を持つ自走砲とは違い、大型トラックに砲部分を乗せた形だ。開発費の低コスト化のために、99HSPの砲部分を流用しているほか、車体部も予算要求等の資料でイメージ図として掲載していた重装輪回収車ベースの車両とは違い、試作車ではドイツ・MAN社製の8輪トラックを採用している。そのほか、陸自特科部隊の指揮統制システムの火力戦闘指揮システム(FCCS)との連接等を行う予定で、射撃・陣地転換の迅速化、戦略機動性の向上やネットワーク化を図った装輪自走砲となる予定だ。

 

※写真=遂に一般公開となった「19式装輪155mm自走りゅう弾砲」。車体部にはドイツ・MAN社製の8輪トラックを採用している

※写真=横からみる19式装輪15自走榴。砲部は99HSPのものを流用、52口径あるため車体長に等しい程の長い砲身が特徴だ

※写真=下車後すぐに迅速に射撃準備にかかる

※写真=駐鋤(ちゅうじょ)を下ろし、格納されていた操作用端末を取り出す

※写真=端末を操作し、砲を迅速に旋回、俯仰させる。砲の搭載位置から全周旋回はできず、駐鋤やアウトリガー等の位置からも前方左右数十度ずつが旋回角度とみられる