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2019.08.26

WING

羽田空港国内線回収再配分方針が固まる

定率5%回収で再配分は「地方枠」に

 国土交通省は8月23日、羽田発着枠配分基準検討小委員会の7回目の会合を開いた。この会合で、2020年1月に5年間の混雑空港としての使用許可更新時期を迎える羽田空港国内線発着枠配分の回収・再配分方法案をまとめた。今回の国内線回収・再配分は、初めて増枠が無いなかで実施するもの。回収の対象となる発着枠は自由枠および地方枠の合計3便以下路線に使用されている発着枠を控除した枠とし、回収規模は定率回収法を用いてまずは5%を回収、就航する全6社を対象に少なくとも1枠は回収することなどとした。一方、再配分する発着枠は、観光振興をはじめとした地方創生の観点を重視して、地方ネットワークの拡充維持を狙った「地方枠」として配分する方針だ。
 現在、羽田空港国内線(混雑時間帯)の発着枠総数は、自由枠が350枠、幹線路線以外の路線を運航する地方枠18枠、特定既存航空会社に優先的に付与した88枠などを含み全465枠がある。
 このうち3便以下の路線に使用されている枠は38枠あって、他路線への転用に制約を課すことで、現在運航している航空会社に対してその路線や便数の維持を促そうとする、いわゆる1便・3便ルールが適用されている。2005年に実施した回収・再配分では、当該路線を地方ネットワークを充実・強化するという観点から回収の対象外とした。
 一方、新規優遇枠は、航空会社の新規参入、事業規模拡大を促し、競争を促進数rために設定されたもので、2009年まで特定既存航空会社に対して優先的に配分してきた。ただ、すでに特定既存航空会社各社はそのフリートを12機以上として経営基盤を確立することに成功している。ただ、今回が大手航空会社と特定既存航空会社を同一基準で評価する初めての回収であることを考慮し、今回については当該発着枠は回収の対象外とする方針だ。その上で、将来的には回収の対象とすることを検討すべきことを盛り込んでおり、次回の回収・再配分で回収する可能性に含みを持たせた。
 こうしたことから今回の回収の対象となる発着枠は、自由枠および地方枠の合計から3便以下路線に使用されている発着枠を控除した枠とする方針だ。

 

回収は全6社から少なくとも1枠
新規参入枠設定、将来の参入に道

 

再配分評価の一部を見直しへ
欠航・遅延率一定範囲ならプラス評価など

 

※写真=羽田空港国内線の回収・再配分方法の案がまとまった