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拡大する米中貿易紛争、航空貨物需要の減退深刻に
7月需要3.2%減、「紛争は政治の短期利益も経済の長期混乱」
米中貿易紛争に端を発した航空貨物の需要減退影響が拡大しつつある。国際航空運送協会(IATA)が9月5日(ジュネーブ現地時間)に発表した7月の世界の航空需要動向によれば、航空貨物需要を示すFTKが、前年同月比ベースで3.2%減少したことが明らかになった。その一方で貨物スペースの供給量を示すAFTKは2.6%増加しており、貨物ロードファクターは2.7ポイント減少した45%にまで落ち込んだ。IATAによれば、これにより9ヵ月連続で前年割れの実績となったという。
追加関税の応酬により、互いに振り上げた拳の下ろしどころが見えなくなっている米中貿易紛争が激しさを増すなか、航空貨物業界は苦しみが続いている。IATAによると、世界の貿易量は1年前と比べると1.4%低く、米国と中国間の貿易量は2018年の同時期と比較して年初から14%減少したという。
※写真=貿易紛争が拡大するなか航空貨物の需要が減退。航空貨物業界は試練が続く(提供:IATA)