WING
新明工業、航空機複合材修理の自動スカーフサンディング装置開発
2年後目処に製品化、来年のファンボローで世界市場にアピール
新明工業(愛知県豊田市)、同グループの新明東北マシナリー(宮城県仙台市)、そして宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で、複合材構造修理用自動スカーフサンディング装置を開発中だ。落雷や雹などでダメージを受けた航空機の複合材部位を補修する際、まずはすり鉢状に加工してダメージ部位を除去。孔を開けた箇所にパッチをしているが、このすり鉢状に加工するだけでも多大な時間を要する。そのためこうした工程の自動化を求める声が挙がっていた。開発中の装置を使えば、熟練工あるいは初心者を問わず、およそ100分程度ですり鉢状に加工することができ、補修時間を短縮することができる。しかも自動化することによって加工品質を安定的かつ高品質に保つことも可能にする。両者によれば、「2年後を目処に製品化して販売する」(JAXA航空技術部門構造・複合材技術研究ユニット:星光主任研究員)計画にあることを明かしており、まずは来年のファンボローエアショーという国際的な大舞台に出展して、いよいよ世界への売り込活動をスタートする方針だ。
両者は航空会社のみならず、ビジネス機ユーザー、さらには「機体やエンジンOEM、Tier1サプライヤーなどに対してお話を順次進めていくことになる」ことも明かしており、幅広い利用を見込み世界市場で売り込みを図っていく。その他にも、複合材を多用することになるであろう将来戦闘機やF-35など、ミリタリー分野に対しても市場を拡げることが可能なことは、想像に難くない。
多大な時間要するスカーフサンディング
航空技術イノベーションチャレンジで開発スタート
市場投入向けて軽量化
※写真=開発中の複合材構造修理用自動スカーフサンディング装置。軽量化することで2年後の市場投入を目指す