WING
欧州製無人機で初の衛星経由遠隔操縦飛行成功
レオナルド子会社テレスパツィオなどが実施
レオナルドは5月23日、中高度長時間滞空(MALE)クラスの欧州製無人航空機の衛星使用遠隔操縦による初飛行に成功したと発表した。ピアジオ製P.1HHハンマーヘッド(シュモクザメ)無人機を試験機として、テレスパツィオ(レオナルド67%、タレス33%出資)とピアジオ・エアロスペースで構成したチームが、遠隔操縦を実施したという。地上配置の無線の見通し外で、有人機と分離されていない空域でドローンが安全に飛行できるようにする能力の開発と、統合のため一連の飛行試験を開始した。
試験が行われたのはイタリアのトラパニにあるビルジ空港で、現実的な条件のもと、数々の衛星技術のデュアルユース・アプリケーションの有効性が確認される。この飛行は欧州研究プロジェクトDeSIRE IIの一環として、テレスパツィオが欧州宇宙機関(ESA)および欧州防衛庁(EDA)の共同管理のもと推進している。
テレスパツィオは今回の飛行試験に使われた双方向の衛星通信ネットワークを開発した。地上ステーションから離れて飛行するP.1HH無人機と搭載センサ、システムを遠隔操縦するため、飛行制御データが衛星経由で送信された。さらに同じネットワークにより飛行中のドローンから収集されたデータが地上ステーションに返信されている。
今回の使用衛星はテレスパツィオがフチノ宇宙センターから管制しているアテナ・フィデス衛星であった。
※写真=多数の衛星通信アンテナが並ぶテレスパツィオのフチノ宇宙通信センター(提供:レオナルド)