WING
日本空港ビル横田社長、東京2020大会万全の体制で対応
羽田の第一印象「大会の成否左右するほど重要」
日本空港ビルデングの横田信秋社長はインタビューに応じ、1年後に迫る東京2020大会に向けて「日本の空の玄関口である羽田空港での第一印象・体験は、東京2020大会の成否を左右するほど重要だと認識している」と話し、ターミナルビルのイメージアップに特に力を入れて取り組む姿勢を示した。
羽田空港は、言わずもがな日本の空の主要玄関口だ。東京2020大会ではもちろん、大会以降も多くの国際線旅客を迎えることになる。海外から日本へやって来る旅客が最初に到着するのが国際線ターミナルであり、このときの第一印象が、日本のイメージを決定付けてしまうのだ。
羽田空港は、国と民間の所有が混在している施設であり、「官民一体となったサービスやおもてなしがとても重要なテーマだ」と語った。東京2020大会では、開催前から短期間のうちに旅客が集まることになるので、ターミナルビルとしては、大会関係者だけでなく一般旅客も含め、すべての利用者が円滑に移動できるように、万全の体制で臨みたいという。大会本番まで365日を切った今、旅客サービスとして「求められるイメージ像をしっかり受け止めて、受け入れ体制についての準備をしていかなくてはいけない」と述べて、喫緊の課題として取り組む考えだ。
日本空港ビルでは、2020年3月の夏ダイヤから始まる国際線発着枠の拡大に備えて、各ターミナルの整備に取り組んでいる。特に第2ターミナルでは、国際線に対応できる施設の整備を行っており、2020年3月下旬の供用開始を目指す。また、第1ターミナルでもリニューアル工事を行っており、今年9月末には改修が完了する予定。国際線だけでなく国内線施設も充実を図って、増加が見込まれる乗継需要にも対応していく。
FAST TRAVELで手続スムーズ化
大会時の貨物対応など検討
受け入れ体制のハード面では、国際線において「FAST TRAVEL」を推進して、出入国手続きによる行列の解消や、手続きのスムーズ化に向けて整備が進められる。セルフサービスによるチェックイン機や、手荷物預け入れ機などが手続時間の短縮に貢献する。さらに保安検査のスマートレーンの導入も進めており、出発時の所要時間を10分、到着時30分を目指している。
この「FAST TRAVELの取り組みは、国や航空会社との連携が重要であるとして、今後は「One ID」対応など、さらなる航空手続きの迅速化に対応するとともに、お客さまへのさらなる利便性向上に取り組んでいく」との見解を示した。
さらに東京2020大会対応で重要なのが、物流としてのモノや動物の移動であるという。例えば、大会の競技には馬術があって、各国から競技に参加する馬が運ばれることになる。そこでは検疫の問題があり、各省庁と取り扱いについて検討を重ねる。さらには、射撃などの競技もあり、ライフルなど銃器の取り扱いやそのほか東京2020パラリンピックでは、例えば車イスの輸送などさらに検討事項が多くなる。「そういった対応の課題は、国土交通省や税関、入管、検疫、航空会社と日本空港ビルとどういった連携を取っていくか、引き続き各関係機関と十分に検討を重ね、対応を決めていくことになる」とのことだ。
おもてなし、賑わい創出重視
全社でゴミ拾い、清潔さ徹底
成田と一体での対応が必要
内際とも分かりやすさ追求
羽田のリスク管理は世界一
いかなる事態も機能を継続
グループ直営店舗多い羽田
店舗スタッフが保安要員に
羽田の進化は止まらない
さらなる機能強化議論必要
※写真1=日本空港ビルデングの横田信秋社長
※図=第2ターミナルビルの国際線施設予想図(提供:日本空港ビルデング)
※写真2=使いやすさを追求したリニューアル工事を行う第1ターミナルと、国際線施設の整備が進む第2ターミナル(提供:日本空港ビルデング)
※写真3=国際線ターミナルも併せ、3つのビルが一体感を持って、世界中の旅客を出迎える(提供:日本空港ビルデング)