ウイングトラベル
NAA田村社長、冬期100便以上の就航要望受ける
羽田増枠は影響、戦略的なマーケティングが必要
成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は9月26日の会見で、羽田空港の増枠によるいわゆる“成田離れ”に対する路線誘致施策について、「冬期スケジュールでは就航要望は100便以上いただいている」と話し、とくに中国方面のネットワーク拡大に期待した。また、羽田増枠の影響で、大幅に便数を減らす可能性の高い北米線については、2020年度は「かなり影響を受けると思っている」と述べ、北米線のみならずほかの路線についても「戦略的にマーケティングを行っていかなくては」と、路線の獲得を目指す考えを示した。
これまで成田空港は、羽田空港の増枠のタイミングでの路線移設によって、NAAのバランスシートにも多大な影響が表れたこともあった。田村社長は2020年夏ダイヤの羽田増枠でも、同等以上のインパクトが想定できると説明した。実際にデルタ航空では、2020年夏ダイヤから成田線を廃止することを決定した。
8月の国際旅客数過去最高も韓国線不安視
9月の韓国旅客数18%減、利用率低下
田村社長は、国際情勢によって減退が懸念される韓国線の状況については、JNTO発表で韓国からの訪日旅行者数は48%減だったが、成田空港では8月の韓国線の発着回数は前年同月比18%増で、日本人と外国人を含む出国旅客数は3%増だった。したがって、利用率の低下が推測できると指摘した。
また、発着回数の増加は夏ダイヤで韓国線の増便が行われ、一部減便はあるもののまだ維持されているためとしている。
9月の状況は、9月21日までの速報値としては、発着回数は7%増、出国旅客数が18%減となっている。このため、「今後も韓国線の状況は注視していく」と述べたが、利用率が下がっており、「今後は旅客減をある程度見込まなければいけない」と厳しい見方を示した。
夜間飛行制限緩和で旅客便53便が22時以降発着
利便性向上に期待、店舗・アクセスも深夜対応
A滑走路の夜間飛行制限の緩和によって、冬ダイヤ以降、22時以降のフライトが増加する。旅客便については、現在の夏ダイヤに比べて、週53便が従来よりも遅い時間に成田空港を出発・到着する。田村社長は「それによって、内外の旅客相互に利便性が高まれば良い」と期待する。
※写真=記者会見する田村明比古成田空港会社社長