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2019.10.04

WING

北のミサイルは新型SLBM、中距離相当の飛距離

河野防相「間違いなく深刻な脅威」見解示す

 防衛省は10月3日、北朝鮮が前日早朝に発射した弾道ミサイルが新型の潜水艦発射弾道ミサイル、SLBMだったとの見解を示した。ミサイルは最高高度約900キロに達し、ロフテッド軌道によって発射。当初2発の発射と見られていたが、1発のミサイルが多段式により2つに分離した可能性もあるとしている。河野太郎防衛大臣は臨時の会見で、同ミサイルが準中距離弾道ミサイルだった可能性もあるとして「深刻な脅威であるということは間違いない」と強調。国際社会としても重大な課題、との認識を示した。
 河野大臣は、北朝鮮が発射した弾道ミサイルについて、北朝鮮東岸の元山付近から発射され、推定で「約450キロ飛しょうし、最高高度は約900キロに達した」と説明。通常の飛行高度よりも、かなり高い高度を飛しょうしたため、「ロフテッド軌道で発射された」という見解だ。これが仮に、通常軌道で発射されれば、その射程は「最大で約2500キロに達する可能性がある」ため、準中距離弾道ミサイルの可能性を指摘した。また弾種については、新型固体燃料推進方式のSLBMとの見解を示したが、実際に「陸上ではなく、沖合で発射された。ただし、実際に潜水艦が使われたかどうか、さらなる分析が必要」と説明した。
 この度、北朝鮮が発射した弾道ミサイルの飛距離が2500キロに達するとなれば、これまで頻繁に発射を確認した短距離弾道ミサイルとは脅威度が異なる。短距離については米朝間プロセスもあって、これまでドナルド・トランプ米大統領は関心を示していなかった。しかし、今回は中距離。さらには潜水艦搭載の新型SLBMである可能性が高い。

 

エスパー長官と電話会談、緊密な連携一致

 

※写真1=写真は北朝鮮のSLBM「北極星1」。今回発射のSLBMは、新型のものと見られる(提供:防衛省)

※写真2=当日は米海軍第7艦隊司令官のウィリアム・R・マーズ海軍中将が表敬訪問。周辺の安全保障環境など、意見交換したと見られる。この度の北朝鮮によるミサイル発射について話題に上った、とするも、内容は明らかにしなかった