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2018.05.25

WING

ソラシド決算、営業収入・経常益・純利益で過去最高

11期連続で黒字決算、忍び寄る燃油費増加の影

 ソラシドエアが5月24日に発表した2018年3月期決算によると、営業収入は前年同期比3.1%増加した393億6900万円と増収となった。利益面については、営業利益が4.4%減少した38億500万円と減益となったものの、経常利益段階では5.7%増加した36億2500万円となり、当期純利益は4.8%増えた24億8900万円を確保した。ソラシドエアによると、営業収入、経常利益および当期純利益に関して過去最高を更新したとのことで、11期連続で黒字を達成した。営業利益が縮小した理由としては、燃油費の増加や整備引当金などが影響したとしている。
 同社は営業面においては、レベニューマネジメントシステムの本格稼動や販売期間及び搭乗期間限定の「ソラシドスペシャル」、Solaseed Airカード会員向け新運賃「ソラシドカード割EX」など、各種運賃ラインナップを充実。さらに、熊本地震の際に全国からの支援に感謝の気持ちを表した九州観光推進機構の「九州からありがとうキャンペーン」に参画し、プレゼント企画やクーポン配布などのキャンペーンも展開した。また、初めての試みとして、1月1日には初日の出&初詣フライト〔東京(羽田)ー宮崎〕を実施にも踏み切っている。
 また、昨年8月1日に就航15周年の節目を迎えたことを契機に、キャッチコピー「つぎのソラへ。」を掲げ、無料機内エンターテインメントサービス「ソラタイム」の開始、機内ボーディングミュージックや機内誌ソラタネの刷新、就航地名産ビールの販売、地域振興・機体活用プロジェクト「空恋」パートナー自治体と共同でのソラシドマルシェの開催など、「九州・沖縄」にこだわったサービスの向上も図ったという。

 

 次期見通し、増収見込むも燃油費増など利益縮小
 当期純利益は約15億円減の10億円予想

 

 2019年3月期の業績見通しでは、営業収入は414億円と、20億3100万円の増収を見込む。これは1機増機して国内線を拡充することや、国内・国際線のチャーターを積極的に展開することなどで収入拡大が見込まれていることなどが理由。
 その一方でLCCを含む他社との競争環境が今以上に激化することが予想されていることのほか、燃油費の増加、将来的な整備を加味して費用が嵩むことから、利益面では大幅な減益を見込む。営業利益は22億500万円減少する16億円まで利益幅が縮小する見通しにあるほか、経常利益は21億2500万円減少する15億円に、当期純利益も14億8900万円減少する10億円まで縮小する予想だ。
 燃油費については18年3月期には1バレル50ドル後半で推移しており、19年3月期にも1バレル50〜60ドル台の間と予想。ただ、ここ最近ジリジリと値上げが進行しており、18年3月期に好決算だったソラシドエアの次期予想にも、影を落とすことになりそうだ。

※写真=ソラシドエアは18年3月期に好決算。ただ19年3月期は競争激化などで大幅な減益を見込む