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JAXA・春日電機、「はやぶさ2」エンジン技術で除電システム開発
従来の真空除電技術比100倍以上の速度で除電可能に
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と春日電機は10月8日、宇宙技術のスピンオフ製品として「マイクロ波プラズマ除電処理システム」を開発したことを発表した。両者によれば、開発したシステムは従来の真空除電技術と比べると、100倍以上の速度で真空中の帯電した物体を除電することができるという。
開発したマイクロ波プラズマ除電処理システムの技術は、マイクロ波プラズマ源を真空槽に設置し、プラズマ源で生成したイオンと電子により帯電した物体を受動的に除電するというもの。プラズマ源は質量や大きさ、電力制限の厳しい宇宙機で用いることを前提としているため、小型で高真空下でも動作することを特徴としているほか、大気暴露に制限のなく取り扱いが容易なマイクロ波プラズマ源を用いていており、長時間作動させるイオンエンジンの特性上5万時間以上の動作試験をクリアしたものだという。
※写真=はやぶさ2で実際に使用されているイオンエンジン中和器(提供:JAXA)
※写真=マイクロ波プラズマ除電処理システム(提供:春日電機)