ウイングトラベル
JTBグループ2017年度決算は増収減益
経営改革や海外M&Aへの先行投資が影響
JTBグループが5月25日に発表した2017年度(17年4月〜18年3月)の連結決算は売上高が前期比2.0%増の1兆3230億円、営業利益は49.5%減の51億円、経常利益は27.7%減の94億円、
当期純利益は80.1%減の10億円と増収減益となった。海外旅行の需要回復や法人営業が堅調に推移、さらにグループ会社の追加によりグローバル事業の売上高が増え増収となった。しかし新たなグループ体制構築に向けた経営改革や海外M&A関連で約80億円の先行投資でのれん代など関連経費が重しとなったことが影響して、利益は減少する形となった。
大幅な減益となった17年度の決算について決算会見説明の記者会見に出席したJTBの高橋広行社長は「経営改革と成長戦略の実現に向け、意思をもって投資した結果の減益」と強調した。
部門ごとに見ると国内旅行は0.7%減の5751億円となった。エースJTBでは九州方面が好調に推移したほか、オリジナルラグジュアリーバスの運行開始やレゴランド・ジャパンとの提携で名古屋方面の取扱が増加。法人営業も事業領域の拡大に取り組んだほか、ビジネス需要も着実に捉ええるなど堅調に推移した。しかし、東日本地域の旅行販売が伸び悩んだほか、台風や大雪といった自然災害や天候不順の影響が大きく前期比マイナスとなった。
海外旅行は0.1%増の4627億円となった。ルックJTBでは、ヨーロッパ方面が回復基調となったほか、ハワイも好調に推移した。また、17年度から取り組みを始めたグローバル・デスティネーション・キャンペーンを実施したシンガポールも好調な実績を挙げた。そうしたことが奏功し、売上高は前年度比2.3%増となった。また、法人営業に関しては、平昌2018冬期オリンピック・パラリンピックのオフィシャルパートナーとしてグループ一体で取り組んだことにより
増収となった。
※写真=2017年度決算を説明するJTBの高橋広行社長